2011-01-01から1年間の記事一覧

癒しの唄

都々逸には短歌や俳句とは、ひと味違う力がある。哀しみを癒し、たとえ満たされなくても、辛くても、生きている自分を慰め、振り返りながらも明日へと流れていく心の中に都々逸がある。 だから僕は都々逸が好きなんだ。

もしも二人で 雑詠都々逸

(ーー;)もしも二人で並べるならばイフ(もし)が二人のイブになる (ーー;)誰も知らない互いのホクロ見つめあいましょ夜二人 (ーー;)今夜イブよね眠らず飲もういつそこのまま初日の出 (ーー;)三田や早稲田の学歴ないし金もないけど負けぬ愛 (ーー;)俺の秘密を知られたか…

泊まりたいけど トナカイ 折込都々逸

(ーー;)泊まりたいけど 何にもできぬ からだ見せれぬ 言えぬわけ (ーー;)とうに別れた 仲ではあるが からだ寂しや 今も泣く (ーー;)十日くらいは 仲良くしよう からだだけでも いいけれど (ーー;)豆腐なんかは 舐めさせないわ かたいお豆が いいお味 腐った豆は恐い…

題詠短歌 2010年

053:ぽかん ぽかんです月妖艶の劇場で好きなわけなど語れないまま 054:戯 戯れも飽き月よりも太陽で増え積もる毒よ消えされ 055:アメリカ 増えた星見失う月アメリカの自由が奪ったわがアルテミス(月の女神) 056:枯 枯れゆくはわが身ひとりかフルムーンの…

題詠都々逸 2010年

053:ぽかん ぽかんと浮かんで壊れて匂う風呂のおならのような恋 054:戯 たった一度の戯れでしただけど今でも好きな人 055:アメリカ 米はアメリカ日本はジャパン米の心は今いずこ アメリカなのに米国とはこれいかに 日本でもジャパンというがごとし 056:枯 …

題詠都々逸 2010年

049:袋 指を入れたら湿気ったみたい久しぶりだね袋菓子 050:虹 虹という虫かからぬ恋は悪い虫しか寄って来ぬ 051:番号 電話番号震える指で回し別れを告げた冬 052:婆 女心を世間の波の下に隠して婆婆になる

題詠短歌 2010年

049:袋 十五夜の酒の肴は子袋を噛み締め笑い否定する愛 050:虹 虹と月 星と太陽 何もない僕に貴女はもっと見たがる 051:番号 満ち欠ける月夜の宴抱く人は名前などより番号が似合う 052:婆 立待の月に祈りし早乙女よ鬼婆の声 隠せはしまい

もしもこの世で 雑詠都々逸

(ーー;)雨で流せぬ心の傷を涙で癒してくれた人 (ーー;)もしもこの世で一夜を過ごしゃ千夜あの世で腕枕 (ーー;)三つ子の魂百までならば三歳(みとせ)の恋は千歳(ちとせ)まで (ーー;)こんな俺でも拾ってくれたお前のおかげで役に立つ (ーー;)同じ男に生まれてながらあ…

冷えた心も 雑詠都々逸

(ーー;)冷えた心も貴方の指があればすぐとけ熱く濡れ (ーー;)錫のちろりは好みの燗で酌の手つきも俺好み (ーー;)逃げた女房にゃ未練はないがこぼした酒が口惜しい (ーー;)女だからと惚れたじゃないが脱がせたくなる君だから (ーー;)女心がわかれば下手な嘘もつかぬし苦…

題詠都々逸 2010年

045:群 群れを離れた貴方が好きで故郷捨ててついて行く 046:じゃんけん 浮気したでしょじゃんけんしましょあたし負けたら許すから 047:蒸 汗や涙や哀しみさえも蒸発したとてまた雨に 048:来世 命捧げて現世で惚れて来世で笑う余裕なく

題詠短歌 2010年

045:群 満たせれて満たされなくて満月に群れを離れて抱いた哀しみ 046:じゃんけん じゃんけんで負けた夢から消えてくれ上弦の月の上で静かに 047:蒸 涙ごと蒸発させて三日月の欠けゆく角で傷つきながら 048:来世 月満ちず想いは満ちず来世まで貴女とふたり月…

髪梳き

毎日、髪を洗うのが当たり前になったのはいつの頃からだろうか。 生理の時の洗髪は禁忌だったはずなのに、今の女たちはどうなのか。 僕の母はパーマの後は何日も髪を洗わなかったはずだ。 歌舞伎の濡れ場では「髪梳き」が男と女の性愛表現として用いられるよ…

創りものとしての都々逸

創り物としての都々逸 (ーー;)鉛色した雨打つ道であの日別れた三年前 (ーー;)学者みたいな顔してじっと見つめないでよお馬鹿さん (ーー;)この身剥ぐよに尽くした日々を捨てて出て行く男(ひと)の背中 (ーー;)ペットになれずにボトルにされて踏んで潰され捨てられて …

題詠短歌 2010年

041:鉛 求めても十一月の月遠く鉛直線に離れゆく女(ひと) 042:学者 月流れはや十二月飽きもせず学者のように見つめて想う 043:剥 剥ぎ取れぬ愚かさ笑って身を寄せて新月だから優しく抱いて 044:ペット 泣くよりはペットのように泣かせてよ下弦の月を待ち望…

題詠都々逸 2010年

041:鉛 鉛色した雨打つ道であの日別れた三年前 042:学者 学者みたいな顔してじっと見つめないでよお馬鹿さん 043:剥 この身剥ぐよに尽くした日々を捨てて出て行く男(ひと)の背中 044:ペット ペットになれずにボトルにされて踏んで潰され捨てられて

◆都々逸版:雪が降る◆

雪が降ったら あなたはこない 積もる話が あるのにね 雪が降る夜は 心は重く 夢も涙も凍りつく 遊ぶ子もなく 静かな時間 あなたきてよね 雪の夜 いくら呼んでも あなたはこない しんと静かな白い雪 あなたふるのね 雪降るように あついあの日を過去にして す…

髪仕草

びんのほつれは枕のとがよ それをおまえさんに疑られ 遊女にとって、彼氏に、びんのほつれを、責められるのが辛かったらしい。 廓そのものが日常とは別世界の舞台であり、劇的な恋物語を創り出してきた。女も客も演じ、語り継ぐことによって、また新たな恋物…

題詠短歌 2011年 番外

早や師走いつまた来るか今も揺れ外気冷たく孤独の闇に 一人見る今宵静かな海と月ふたたび来るな津波と地震 鬼ごっこ周りのみんな今どこに鬼さんこちら海から逃げた かくれんぼまだ隠れてるいじめっ子お手てつないでみんなで探そ みなが消えママもほんとはい…

題詠都々逸 2009年

097:断 油断大敵油を絶てず脂肪だらけの腹回り 098:電気 帰りたくないこのままずっと電気ブランの甘い夜 099:戻 戻り鰹は美味ではあるが戻り娘は脂肪だけ 100:好 好きだ好きだと言わせてみたいだってこんなに好きなのに

題詠短歌 2009年

097:断 断腸の思いだなんて ざれ言よ男根切除させてください 098:電気 電気消し顔見えぬままエトランゼ愛の言葉も通じぬままに 099:戻 戻れずにさよならだよね 戻っても さよならだよね だからさよなら 100:好 好きなだけ好きだと言えば嘘になる 雨降らぬ街 …

紅葉散るよな 雑詠都々逸

(ーー;)紅葉散るよな冷たい朝は まことよりかは温い嘘 (ーー;)猫でさえ雄は乗せぬと誓った膝で童みたいに眠るひと (ーー;)万華鏡だねお前の肌は揺れて鮮やか触れるたび (ーー;)恋の駆け引き(×-)助けもなくて(+)割り切れぬまま(÷)ご破算に (ーー;)惚れているら…

外の雪 雑詠都々逸

(ーー;)不満哀しみ積もらぬように霙まじりに濡れた夜 (ーー;)外の雪など気になりゃせぬが窓に落書き熱い指 (ーー;)冷凍マグロじゃつまらぬけれど抱いてみたいな雪おんな (ーー;)自分勝手に縁切りながら切ないなんて殺生な (ーー;)冷えたこの手もお前の中で燗もそろそろ…

禍福

女との出会いは、禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如(ごと)し 女は災いである。 しかし防ぐ気にはなれない。

ボロは着てても 防災 折込都々逸

ボロは着てても 生まれは貴族 酒飲む背なに 威風あり 帽子かぶれど 後ろの禿が 寒いさぶいと いじけ虫 防寒コートで 嬉しや温い されど懐 いまも寒 ボクサーパンツは うちでははかぬ 妻子に見せぬ 粋すがた ボインブラジャー 美し女(ひと)も サイズ合うのは…

題詠都々逸 2011年

029:公式 公式サイトで真面目なパパが裏のサイトでエロブログ 030:遅 デートするたび遅刻の彼は会えばとっとと先に行く 031:電 つながりたいのに留守電ばかり いつもひとりで声を出す ※留守電=彼が留守の時の電マ 032:町 村でムラムラしていた恋が まちがい…

題詠短歌 2011年

029:公式 この恋に解の公式あるならば白根葵の山で暮らせる 030:遅 桜草群れて咲く道遅々として先延ばしする別れの小道 031:電 新しい家電も君も余所余所し小手毬枯れた住み慣れた部屋 032:町 あの町はこの人よりも寂しくて花水木さえ痩せて咲く道

題詠都々逸 2010年

037:奥 もっと奥まで知りたいけれど たどり着けずに謎のまま 038:空耳 わかっているのに空耳なのはそれでもちょっぴり振り返る 039:怠 ちょいと一杯休もじゃないか怠けて気づくこともある 040:レンズ 眼鏡レンズが涙で曇る見たくないほど哀しくて

題詠短歌 2010年

037:奥 七月の月を逃れて旅二人醜さ見えぬ闇の奥まで 038:空耳 空耳か空蝉セミか月涼し狂った女と暮らす八月 039:怠 倦怠期から始まったラブコメディー九月の月を見上げて怠惰 040:レンズ レンズ越し十月の月凛として痘痕か笑窪恋の駆け引き

題詠都々逸 2009年

093:鼻 上手く丸めて飛ばしてみたい鼻くそみたいな嫌な客 094:彼方 遥か彼方の遠いい昔たしかに貴方が好きだった 095:卓 卓の上には食いたいものが残っているけどちょいとキス 096:マイナス 手取り収入マイナスばかりなのに増えてく身の重さ

題詠短歌 2009年

093:鼻 好きだった 鼻持ちならぬ君だけど気持ちは少し哀しみのまま 094:彼方 これからも遠い彼方に消えはせぬ消えはせぬけど交わらぬ仲 095:卓 卓越の才なきままに詠みあげる抑え切れない才なき故に 096:マイナス 別れずにこのまま過ごす寒い朝マイナスかし…