2020題詠都々逸 したい夜

2020-011:域

(ーー;)触れちゃならない聖域なのに

触り見たがる人ばかり

 


2020-012:雅

(ーー;)お金ないけど裸になれば

二人優雅に雲の上

 


2020-013:意地悪

(ーー;)泣いて困らせじらせてみよか

少し意地悪したい夜

 


2020-014:客

(ーー;)ちょっと前までお客のように

いつも手土産くれたのに

 


2020-015:餌

(ーー;)釣った魚も仕留めた恋も

餌をくれなきゃイキはせぬ

2020題詠短歌 今夜もひとり

2020-011:域

風走る沈む心を置き去りに

手負いの酒は域を溢れた

 


2020-012:雅

優雅さもなく二枚目になれもせず

引きずる恋の垢にまみれて

 


2020-013:意地悪

意地悪な風にあおられ白塗りの

言葉失い今夜もひとり

 


2020-014:客

無観客スポットライトは月あかり

老けた女形を演じて愚痴を

 


2020-015:餌

目の前の餌に食いつく気力失せ

濡れ場も肌も心も枯れて

2020題詠都々逸 予感して

2020-006:鋭

(ーー;)感が鋭い二人の恋は

共に別れの予感して

 


2020-007:クイズ

(ーー;)どこに惚れたかなぞなぞクイズ

答えなんかは出ないけど

 


2020-008:頑

(ーー;)あんたなんかは中には入れぬ

硬くなっても頑なに

 


2020-009:汁

(ーー;)割れず欠けない汁椀みたく

そっと茶碗に寄り添うて

 


2020-010:なぜ

(ーー;)なぜと聞かれて答えは出ぬは

惚れて別れた理由など

2020題詠短歌 恋の難問

2020-006:鋭

鋭さも老いてずるさに変わりゆく

恋の鞘当抜けぬ竹光

 


2020-007:クイズ

クイズなら答えはあれど老いらくの

筋が通らぬ恋の難問

 


2020-008:頑

頑なに心閉ざして捨て台詞

足掻く己にあばよと告げる

 


2020-009:汁

すまし汁息整えて啜る夜

沈む心をかき混ぜながら

 


2020-010:なぜ

老いてまた大根役者の恋芝居

なぜ繰り返す諦めもせず

2020題詠都々逸 泣く私

2020-001:君

(ーー;)白い肌着を脱がして君の

黄みを味う茹で玉子

 


2020-002:易

(ーー;)恋をするのは た易いけれど

いつも芽が出ぬ種ばかり

 


2020-003:割

(ーー;)西瓜割ったわガラスも割った

だけど嫌なの割り勘は

 


2020-004:距離

(ーー;)姿見せずに離れた距離で

秋の虫らと泣く私

 


2020-005:喉

(ーー;)喉元すぎれば暑さを忘れ

も一度燃えたい恋したい

2020題詠短歌 それで幸せ?

2020-001:君

暁に愛想づかして去る背に

君の名を呼ぶ君(くん)づけにして

 


2020-002:易

無為徒食ひとり暮らしも板につき

小言なき夜は辟易もせず

 


2020-003:割

割る酒も残りわずかか夜明け雨

抱擁終える大詰めのキス

 

2020-004:距離

コロナゆえ修羅場にならぬ愁嘆場

別れの距離は手さえ届かぬ

 


2020-005:喉

黄昏の喉に絡まる悪態を

はかない二人それで幸せ?

2019題詠都々逸 ボオリポリ

2019-041:妥

(ーー;)気前いいから醜男だけど

妥当かしらね私には

 

2019-042:人気

(ーー;)人気者には貢ぎもするが

残り者からもらう服

 

2019-043:沢

(ーー;)惚れた男は沢庵さえも

粋な音だねボオリポリ

 

2019-044:昔

(ーー;)昔自慢もたまにはいいが

ちゃんと抱いてよ今夜こそ

 

2019-045:値

(ーー;)なんで決まるか男の値打ち

まずはアレでしょそれこれも

 

2019題詠都々逸  神だのみ

 

2019-046:かわいそう

(ーー;)こんな私が愛した人は

ふった奴よりかわいそう

 

2019-047:団

(ーー;)団地妻でもたまにはちょいと

娼婦気分で部屋を出る

 

2019-048:池

(ーー;)池の鯉ならたたけば来るが

恋はいつ来る神だのみ

 

2019-049:エプロン

(ーー;)似合うわけないエプロン姿

なにをいまさら料理など

 

2019-050:幹

(ーー;)手先口先あの先じゃなく

幹の太さに惚れた人

 

2019題詠都々逸  だった過去

 

2019-051:貼

(ーー;)貼っておいてよ初心者マーク

早いばかりで下手な人

 

2019-052:そば

(ーー;)蕎麦がいいけどあなたのそばじゃ

音をたてずに食べる寿司

 

2019-053:津

(ーー;)見たり触れたり舐めたりしたね

興味津々だった過去

 

2019-054:興奮

(ーー;)しなくなったわ興奮なんか

幸(こう)も消えたしフンも出ぬ

 

2019-055:椀

(ーー;)出しはしないわ止め椀なんか

もっとお飲みよ茶碗酒

 

2019題詠都々逸  顔に出る

 

2019-056:通

(ーー;)通り過ぎてく野良猫みたい

欲しいくせしてチラ見して

 

2019-057:カバー

(ーー;)カバーメイクで隠してみても

冷めた心が顔に出る

 

2019-058:如

(ーー;)如来肌にはかなわぬけれど

逃がしゃしないと鬼婆は

 

2019-059:際

(ーー;)床屋帰りの生え際好きよ

好きじゃないわよハゲ際は

 

2019-060:弘

(ーー;)筆はいい筆弘法みたく

筆を選ばずなんて無理