2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

母と二人で

026:湿 風は止み湿地の闇は静まりて 白木位牌の母と二人で 027:ダウン 死ぬ母の風に乱れた心電図 旅が始まるカウントダウン 028:改 改めて母を偲べばまた風が あの日この日の思い出乗せて 029:尺 尺貫の時代に母が買ってきた 五文の靴で風を駆け抜け 030:物 …

惚れやせぬ

021:小 (ーー;)小さすぎるわ今度の男 背丈ばかりのことじゃなく 022:砕 (ーー;)硬い頭も酒米に酔って 石(意志)を砕けば粋なひと(酔→砕→粋) 023:柱 (ーー;)久しぶりだわ嬉しい朝ね 立った立ったわ茶柱が 024:真 (ーー;)あんたなんかの真心だけで 生きていけたら惚…

音も秋風

021:小 また少し小さくなった母がいる 棺に花と最後の風を 022:砕 砕かれた枯葉が風にあしらわれ 母を求めて追われるように 023:柱 線香が母の残り香変えていく 柱時計の音も秋風 024:真 若き日の写真の中の母が母 老けた姿は風に燃やそう 025:さらさら さら…

傷ばかり

016:荒 (ーー;)荒れた蒲団が気になるけれど そっとしばらくこのままで 017:画面 (ーー;)あんな画面を二人で見たら すぐに眠れるわけがない 018:救 (ーー;)馬鹿ね私は救われないわ だめな男にまた惚れて 019:靴 (ーー;)何かがわ合わない二人の恋は 靴擦れみたいな傷ば…

サルビアの風

016:荒 細々とやつれて荒れた手で招く 病の母に風が応える 017:画面 遺影とは異なる画面若き日の ママに駆け寄るサルビアの風 018:救 風の中母と最後のドライブは 救急車で向かう病院 019:靴 秋風に季節はずれの靴二足 母が遺した動かぬ物質 020:亜 亜鉛華に…

せめる番

011:怪 (ーー;)何かようかい妖怪みたく あなた恨んでいますのに 012:おろか (ーー;)おろか者よね似た者同士 ふたり仲良く地獄行き 013:刊 (ーー;)昔々は新聞でした 今の貴方は月刊誌 014:込 (ーー;)思い込んだら一途な私 すがりつくよに後を追う 015:衛 (ーー;)飽きて…

丑三つの風

011:怪 妖怪の母でいいからあの世まで 会いに行こうか丑三つの風 012:おろか 風吹けば門扉はおろかドアノブも 音も凍てつく亡き母の家 013:刊 取りに行く母亡き日々の朝刊は 読まれぬままに風雨に染まる 014:込 風流に書き込められた一行に 苦しいとあり断末…

都々逸談話・「今回だけよ」

(ーー;)今度ばかりは許せぬけれど 今度だけよと身を許す この都々逸に対し《今度が二度出てきますが、これで良いのかしら??「今回だけよ」の方がいいのでは?》との指摘を受けた。 他人の作品を、自分ならこうするだろうと思案しながら添削することは、推敲…

身をゆだね

006:婦 (ーー;)夫婦なんかは望まぬけれど 帰したくない夜もある 007:度 (ーー;)今度ばかりは許せぬけれど 今度だけよと身を許す 008:ジャム (ーー;)食べてごらんよ私のジャムを 笑いたくなる味がする 009:異 (ーー;)異邦人よね貴方の言葉 理解できずに身をゆだね 010…

また風に消え

006:婦 老いてなお風の水面の夫婦鳥 水中の苦労子は知らぬまま 007:度 窓の風温度ばかりを高めゆく 母の生命は冷えゆくままに 008:ジャム このジャムは母の手作りあと少し 思い出ひとつまた風に消え 009:異 いつもとは異なる朝の風さわぐ 母亡き庭の草木は枯…