2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

愛が恐怖に

086:水たまり 夕月と恋と闇とを水たまり 映せど所詮浅き夢見し 087:麗 月おぼろ醜さ詰めた縫ぐるみ 抱いて眠ろう明日は麗らか 088:マニキュア 哀しみを塗り重ねては剥ぎ磨き マニキュアみたいな月夜星降る 089:泡 月冴えて別れ告たる君の肌 閉ざして解けぬ泡…

毒で味付け

081:シェフ 満月を三日月に切るシェフは君 甘い吐息と毒で味付け 082:弾 愛憎を月まで射抜く弾丸に 込めた貴女の気配と落葉 083:孤独 別れても輝く孤独月ひとつ ひとり佇み見守るひとり 084:千 千回も擦れば果てるようように 月は巡りて千人目の女(ひと) 0…

口の冷たさ

076:スーパー スーパーで買ったお酒と月餅を すぐに食いたや満月の夜 077:対 対岸の君など好きにならないよ 月満ちるまで泣いていなさい 078:指紋 もう一度更待月に抱く君の 皮膚の全てに僕の指紋を 079:第 月欠けてかなわぬ夢に一人泣く 恋も学びも落第人生…

地獄の宴

071:褪 東雲の月色褪せて隠れゆく 悪いのは君でなく太陽 072:コップ コップ酒花を浮べて月映す 邪魔する君の温もり香る 073:弁 愛などと弁解はよせ!脱ぎすてて 月に向かって 己を恥じよ! 074:あとがき あとがきを先に記して挑む恋 新月さえも地獄の宴 075:…

やはり一人か

066:雛 雛祭り朧月夜に並ぶより 重ね合いたい人目気にせず 067:匿名 匿名でいいから君の本性を 月光にさらせ体でしめせ 068:怒 胸を突く月の怒りに今ここで 死を選ぶならやはり一人か 069:島 島々に登らぬ朝日月隠れ 神は何処か何処が地獄 070:白衣 有明の月…

冷たい自由

061:奴 三日月の椅子を目指して奴凧 貴女がつかむ糸切れぬまま 062:ネクタイ ネクタイと職を奪われ早三年 月見る首は冷たい自由 063:仏 月さして闇夜に浮ぶ仏の背 振り向かないでもう少しだけ 064:ふたご 憎しみを愛だなんてブルームーン ふたごみたいな二人…

甘露を舐める

057:台所 名月を眺める窓の台所 猪口に残りし甘露を舐める 058:脳 脳内の月も朧に惚けゆく 怖がる前に楽しい夢を 059:病 凍る月 心を病んでいるんだね 火照るばかりで重ならぬ恋 060:漫画 月だけが漫画みたいに浮かんでる 涙が描く墨絵の中で