2012-01-01から1年間の記事一覧

伸ばす羽

065:羽 羽がはえたら貴方のもとへ 飛んでいくより伸ばす羽 066:豚 豚まんみたいと言われるよりは 肉マン見たいと言われたや 067:励 励む姿も今では哀し ムキで無理して愛もなく 068:コットン コットン湿らす涙のほうが 化粧水より多い夜 069:箸 拾い箸では縁…

汚れた想い

026:シャワー 会えぬ日々百日草を雨が打つシャワーで流す汚れた想い 027:損 巧妙に思い出損じず続け咲く日々草の恋は敏感 028:脂 酔蝶花枯れて酔えぬ日脂ぎる闇の支配に忍び従う 029:座 座して見る今は不要の糸瓜水時の心は悠々自適 030:敗 恋すれどただし叶…

心ゆたかに

021:示 花縮砂を示す貴女の細腕に翻弄される心ゆたかに 022:突然 突然にトルコ桔梗を手折るよに優美な想い心に飾る 023:必 必然の輝きを増すこの時と共に死ねるかトリカブトなら 024:玩 玩ぶよい語らいを茄子色の中へふたりで中でふたりで 025:触 離れ住むブ…

露草の中

016:力 力なく彼女の前に跪き尊敬されぬ露草の中 017:従 心病み恋に焦がれて平安の鬼灯市を従い歩く 018:希 感覚も希少の恋に満たされてグロキシニアの華やかな日々 019:そっくり 常に燃ゆハイビスカスにそっくりな恋に酔い痴れ美酒に酔い痴れ 020:劇 つく嘘…

悶えを増して

011:揃 不揃いの夜が危険な楽しみを月下香咲き悶えを増して 012:眉 野薊の棘刺す権利堪え忍ぶ眉をひそめて夜が開けるまで 013:逆 移り気な待宵草の逆悪に生の至純の快楽深めて 014:偉 偉大なる子供のように老いらくのアガパンサスよ恋は訪れ 015:図書 図書室…

暮らした時代

006:時代 自由から逃れるためにジャガイモの花の慈愛と暮らした時代 007:驚 一瞬の驚きの夢フクシアは好みの色の恋を誘う 008:深 山葵風深く吸い込み目覚めゆく恋は泣くもの人間的に 009:程 道程に白詰草の季節来てまた約束を果たせぬままに 010:カード オリ…

老いらくの今 老いたウェテルの悩み

001:今 誠実な山吹枯れて若き日の悩みも褪せて老いらくの今 002:隣 蘇る風あたたかき隣り人カーネーションの愛を解かして 003:散 アスチルベ人を惑わす精霊の花は散りても自由な恋を 004:果 老いて病む心の果ての子守歌希望労わる山査子の庭 005:点 点々と匂…

きよしこの夜

(ーー;)きよしこの夜すてきな酒も 飲んで終りじゃ味気なや (ーー;)憎い言葉で言い寄られては 駄目とつぶやき消す灯り (ーー;)灯り消しても輝き増して 吐息蠢く白き肌 (ーー;)残る理性もすぐとけ燃えて 抱かれ微睡みゃ今朝は雪 (ーー;)服を着る間も をこつるなんて 鏡も…

題詠都々逸 2012年

096:拭 涙なんかは明日にゃ乾く 拭いきれぬはキスの味 097:尾 尾っぽ振る犬可愛いけれど 私ふる人憎いだけ 098:激 心通わぬ激しさなんて 後で痛みを残すだけ 099:趣 いつの間にやらあなたの趣味に 似てきたような服を買う 100:先 いつになるやらまだ先かしら…

題詠短歌 2012年

096:拭 積年の塵窓拭けば流れ落つ涙の空は過去から碧へ 097:尾 尻尾振る犬になれずに振る首は縦か横かと迷う夕暮れ 098:激 激しさを増す波の音に雨音に想いの音はやがて静かに 099:趣 趣を変え墓に咲く彼岸花三回忌終え心も乾き 100:先 まだ先と我が身騙して…

題詠都々逸 2012年

091:締 締めてみたいが小さな金じゃ 入れてみたとて締まりゃせぬ 092:童 今も見たがる童のように 愛や欲より戯れに 093:条件 してもいいけど条件次第 ずっと毎日するならば 094:担 担っておくれよ身の上までも 身の下ばかりを覗かずに 095:樹 樹齢千年経つ木…

題詠短歌 2012年

091:締 人生の締切間近ドタバタと逃げればさらに死が迫りくる 092:童 牧童は哀しからずや羊らの汚れに染まり臭い漂う 093:条件 生と死の条件提示に闇は揺れふざけんなよと怒声飛び交う 094:担 惑う子に手を差し伸べる我が身さえ担えきれずによろめきながら 0…

題詠都々逸 2012年

086:片 ほっておいてよ一人で泣くわ どうせ一人の片想い 087:チャンス チャンスばかりが何度も来ても 打つに打てない横恋慕 088:訂 訂しておくれよ嫌いだなんて せめて今夜は好きのまま 089:喪 喪服姿のお前に惚れて 未練強まる冥土旅 090:舌 舌の先から出る…

題詠短歌 2012年

086:片 冷えた手で熱い涙を注ぐ酒欠片みたいな人生だけど 087:チャンス パン食いの競争みたく愚弄するチャンスよりかは空が美し 088:訂 婚姻と離婚の印で記された訂正印を押せない戸籍 089:喪 いつの間に恋する資格喪失し老いて再び恋愛講座 090:舌 秋ひとり…

題詠都々逸 2012年

081:秋 飽きて嫌われ捨てられるなら 諦めましょう秋の夜 082:苔 苔むすまでと誓った新居 苔より先に黴だらけ 083:邪 風邪引き男は色気もあるが 看病しずらい花粉症 084:西洋 西洋東洋どうでもいいが 治しておくれよ恋の傷 085:甲 乙な人より甲乙つけりゃ 甲…

題詠短歌 2012年

081:秋 もう一本手酌の酒を熱くする一人寂しく深まる秋は 082:苔 舌苔を鏡に映す変な顔最後のキスを思い出せずに 083:邪 道標気にせず進め邪道でも人それぞれに傷めた足で 084:西洋 西洋の風に吹かれて東洋の雨に打たれてこの島に死す 085:甲 もの書けば亀甲…

題詠都々逸 2012年

076:桃 そこは駄目なの触れずにおくれ 傷みやすいの桃みたく 077:転 激しすぎるわ転がり落ちそ ベッドばかりか人生も 078:査 悪い心や病気がないか 検査してからきておくれ 079:帯 解いた帯からあふれた胸に 昔懐かし匂いして 080:たわむれ 何故にそんなにた…

題詠短歌 2012年

076:桃 適熟を待たずに傷む桃を食む 熟する前に傷みし君と 077:転 突然の転落速度に目を覚まし鳥は慌てて羽ばたく素振り 078:査 欲という罪人を追い捜査中ソドムのような心の奥を 079:帯 帯解けば昔懐かしい匂いして何もせぬままあの日を偲ぶ 080:たわむれ …

題詠都々逸 2012年

071:籠 飛んで行きたやあなたのもとに いけない行けない籠の鳥 072:狭 狭い寝床で寄り添いながら 耐える風雪温い肌 073:庫 書庫に隠した昔の手紙 読めば本より出る涙 074:無精 さっきよりかは愛しさ増して 肌にチクチク無精髭 075:溶 熱い思いに心も溶けて …

題詠短歌 2012年

071:籠 飛び出せば生きてはいけぬ狭き籠今のままでは暮らせぬ二人 072:狭 またひとつ静かに消えた選択肢狭き道行く行き止まりまで 073:庫 思い出を詰め込み過ぎた倉庫なら燃やしてしまえ回顧などせず 074:無精 指先に生きる痛みを伝えつつ無精髭がまた少し伸…

題詠都々逸 2012年

066:息 息を切らせて来たのにすぐに もっと激しい息づかい 067:鎖 鎖なんかにつながなくても 逃がしゃしないさ恋の罠 068:巨 そりゃ欲しいわ巨万の富も だけど貴方のほうが好き 069:カレー 今日のカレーは塩っぱいかしら 彼と別れた涙味 070:芸 芸(ゲイ)で…

題詠短歌 2012年

066:息 微笑みの息を弾ます息子らと息を合わせて駆け上る坂 067:鎖 切り取れぬ連鎖の罠と知りながら死への近道生き残るため 068:巨 酔うほどに隠せぬ想い捨てに出る巨大化してる向日葵の下 069:カレー こびりつく鍋底の日々削ぎ落とす作り置きしたカレーまみ…

題詠都々逸 2012年

061:企 何か企て惚れさせましょう 服を脱ぐのはその後で 062:軸 想い託して回した独楽も 軸が狂ってままならぬ 063:久しぶり 久しぶりよねあなたとお風呂 すべて知ってる仲だけど 064:志 寸暇惜しんで働くくせに 寸志を惜しむ嫌な客 065:酢 お酢をさすよな話…

題詠短歌 2012年

061:企 企てに翻弄されて企てる惚れた素振りの脱げない服で 062:軸 基軸さえ狂い始めて早や三年行くも帰すもままならぬまま 063:久しぶり 久しぶり見上げる月にかかる雲ながれる時にひとり佇む 064:志 何時の間に流れ流され朝靄に包まれ消えた志す道 065:酢 …

わたしゃ干し柿

(ーー;)わたしゃ干柿世間の風に 耐えて腐らず増す風味 (ーー;)蟻よ働け動きをやめた 蟻を見るのは哀しかろ (ーー;)子どもほしいと言ってたくせに なんで私を泣かせるの (ーー;)とどの詰まりはせっかくためた 金も取られるヘボ将棋 (ーー;)滝を登って行く鯉みたく 登っ…

題詠都々逸 2012年

056:晩 晩のおかずはお前がいれば 酒と寝床があればいい 057:紐 赤い紐では結べぬ縁(えにし) 何時ももつれているばかり 058:涙 涙よりかはひと汗かいて 後はさっぱり流しましよ 059:貝 開けてご覧よあなたの熱で 死んで開かない貝じゃなし 060:プレゼント …

題詠短歌 2012年

056:晩 毎晩の酒と寝床に逃避してひとり夢見る明日への希望 057:紐 何時の間にたまりし紐を納めたる開かずの缶は錆びついたまま 058:涙 明日までと走り疲れて闇の道涙よりかはひと汗かいて 059:貝 荒海の貝殻二枚合わせても二度と出会えぬジキルとハイド 060…

題詠都々逸 2012年

051:囲 越すに越せない囲いの陰で 咲かず枯れゆく無名花 052:世話 世話になったとねぎらわれては 去って行く背にすがれずに 053:渋 渋い男も渋柿さえも 少し世話すりゃ甘くなる 054:武 武士は食わねど元気がなけりゃ 妻の用事も立たぬ役 055:きっと きっとく…

題詠短歌 2012年

051:囲 越せそうな低い囲いの中なのに卑屈に笑う飼犬になる 052:世話 世話という言葉の中の虐待に愛はあるのか死に行く命 053:渋 渋々と生きる命も何時の日か渋さを増して生きる命か 054:武 武力では奪える命愛あれど救えぬ命川に流して 055:きっと このまま…

題詠都々逸 2012年

046:犀 馬鹿じゃないけどあんたは河馬ね 角がないからなれぬ犀 047:ふるさと 見せておくれよふるさとだから 母のここから出た命 048:謎 帯をといても解けない謎は 何故に惚れたかこの女 049:敷 敷いてちょうだい布団を早く 酔って意識をなくす前 050:活 切れ…