題詠都々逸 2012年

題詠都々逸 2012年

096:拭 涙なんかは明日にゃ乾く 拭いきれぬはキスの味 097:尾 尾っぽ振る犬可愛いけれど 私ふる人憎いだけ 098:激 心通わぬ激しさなんて 後で痛みを残すだけ 099:趣 いつの間にやらあなたの趣味に 似てきたような服を買う 100:先 いつになるやらまだ先かしら…

題詠都々逸 2012年

091:締 締めてみたいが小さな金じゃ 入れてみたとて締まりゃせぬ 092:童 今も見たがる童のように 愛や欲より戯れに 093:条件 してもいいけど条件次第 ずっと毎日するならば 094:担 担っておくれよ身の上までも 身の下ばかりを覗かずに 095:樹 樹齢千年経つ木…

題詠都々逸 2012年

086:片 ほっておいてよ一人で泣くわ どうせ一人の片想い 087:チャンス チャンスばかりが何度も来ても 打つに打てない横恋慕 088:訂 訂しておくれよ嫌いだなんて せめて今夜は好きのまま 089:喪 喪服姿のお前に惚れて 未練強まる冥土旅 090:舌 舌の先から出る…

題詠都々逸 2012年

081:秋 飽きて嫌われ捨てられるなら 諦めましょう秋の夜 082:苔 苔むすまでと誓った新居 苔より先に黴だらけ 083:邪 風邪引き男は色気もあるが 看病しずらい花粉症 084:西洋 西洋東洋どうでもいいが 治しておくれよ恋の傷 085:甲 乙な人より甲乙つけりゃ 甲…

題詠都々逸 2012年

076:桃 そこは駄目なの触れずにおくれ 傷みやすいの桃みたく 077:転 激しすぎるわ転がり落ちそ ベッドばかりか人生も 078:査 悪い心や病気がないか 検査してからきておくれ 079:帯 解いた帯からあふれた胸に 昔懐かし匂いして 080:たわむれ 何故にそんなにた…

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071:籠 飛んで行きたやあなたのもとに いけない行けない籠の鳥 072:狭 狭い寝床で寄り添いながら 耐える風雪温い肌 073:庫 書庫に隠した昔の手紙 読めば本より出る涙 074:無精 さっきよりかは愛しさ増して 肌にチクチク無精髭 075:溶 熱い思いに心も溶けて …

題詠都々逸 2012年

066:息 息を切らせて来たのにすぐに もっと激しい息づかい 067:鎖 鎖なんかにつながなくても 逃がしゃしないさ恋の罠 068:巨 そりゃ欲しいわ巨万の富も だけど貴方のほうが好き 069:カレー 今日のカレーは塩っぱいかしら 彼と別れた涙味 070:芸 芸(ゲイ)で…

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061:企 何か企て惚れさせましょう 服を脱ぐのはその後で 062:軸 想い託して回した独楽も 軸が狂ってままならぬ 063:久しぶり 久しぶりよねあなたとお風呂 すべて知ってる仲だけど 064:志 寸暇惜しんで働くくせに 寸志を惜しむ嫌な客 065:酢 お酢をさすよな話…

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056:晩 晩のおかずはお前がいれば 酒と寝床があればいい 057:紐 赤い紐では結べぬ縁(えにし) 何時ももつれているばかり 058:涙 涙よりかはひと汗かいて 後はさっぱり流しましよ 059:貝 開けてご覧よあなたの熱で 死んで開かない貝じゃなし 060:プレゼント …

題詠都々逸 2012年

051:囲 越すに越せない囲いの陰で 咲かず枯れゆく無名花 052:世話 世話になったとねぎらわれては 去って行く背にすがれずに 053:渋 渋い男も渋柿さえも 少し世話すりゃ甘くなる 054:武 武士は食わねど元気がなけりゃ 妻の用事も立たぬ役 055:きっと きっとく…

題詠都々逸 2012年

046:犀 馬鹿じゃないけどあんたは河馬ね 角がないからなれぬ犀 047:ふるさと 見せておくれよふるさとだから 母のここから出た命 048:謎 帯をといても解けない謎は 何故に惚れたかこの女 049:敷 敷いてちょうだい布団を早く 酔って意識をなくす前 050:活 切れ…

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041:喫 今夜来ないとわかっていても お代わりしましょか喫茶店 042:稲 稲は実れば頭を垂れて 老いて男は項垂れて 043:輝 暗いお方の隣にいては 月も隠れて輝かぬ 044:ドライ ドライアイでは涙も出ぬに たまにゃ濡れましょ泣く愛で 045:罰 こんなあんたに心を…

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036:右 右に行こうかそれとも左 まっすぐ行けない恋の道 037:牙 牙を涙で凍らせましょう 冴えぬ想いも冴え冴えと 038:的 的を外して焦らそうなんて そんな思いが的外れ 039:蹴 蹴ったボールを追いかけたまま 声を残して消えた子ら 040:勉強 勉強嫌いなあの子…

題詠都々逸 2012年

031:大人 大人なんかになりたくないと 泣いたあの子もいま白髪 032:詰 詰まらないわね二人の夜は いつもそっぽを向いたまま 033:滝 滝に打たれて清めるよりも 心にしみる涙雨 034:聞 聞いておくれよたまには愚痴を 惚れて嫁いだわけじゃなし 035:むしろ むし…

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026:シャワー ちょっと熱めのシャワーを浴びて 消える残り香胸の中 027:損 あたしばかりが損よねいつも 堪える喜び知ったけど 028:脂 恋という字も脂肪の中で 肥えという字に様変わり 029:座 座ってちょうだい目をそらさずに 浮気ぐらいは許すから 030:敗 敗…

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021:示 いつかきそうな別れの予感 暗示するよな月の雲 022:突然 別れましょうか突然ですが 別れられなくなりそうで 023:必 いつかあんたも泣かせてみたい だって今夜は嬉し泣き 024:玩 玩具浮かべて遊んだ波と どこに消えたかあの命 025:触 他の女の臭いが染…

題詠都々逸 2012年

016:力 力尽きたか消えゆく命 生きた証を消さぬまま 017:従 奪う力に従う気など ないが命はままならぬ 018:希 希釈できずに膨らむ希望 かなわぬ夢と知りながら 019:そっくり いつのまにやらそっくり同士 浮気心も二人して 020:劇 部屋は劇場寝床は舞台 演ず…

題詠都々逸 2012年

011:揃 あれやこれやと揃えてみても 何か足りない今日の酒 012:眉 眉の動きであなたの嘘が わかってしまう隙間風 013:逆 逆らうつもりはなかったけれど 素直になれない恋心 014:偉 外で見たときゃ偉そうに見えて 床の中では柔い人 015:図書 声をひそめて夢読…

題詠都々逸 2012年

006:時代 そんな時代もあったじゃないか 粋な背中に爪の跡 007:驚 こんな涙に驚くなんて ほんにお主はウブな人 008:深 秋も深まり人肌恋し 酒もちょつぴり温めて 009:程 流す涙も程々ほどに 明日は心も晴れるよに 010:カード 望むカードはなかなか来ずに 婆…

題詠都々逸 2012年

001:今 今も好きかと問われりゃ好きと 答えて浮かぶ ほかのひと 002:隣 遠く離れてしまった人の 今も隣に残り香が 003:散 散る葉散る花散らした恋も 季節巡れば繰り返す 004:果 年をとったかとらされたのか 苦しい恋の成れの果て 005:点 膝に涙が点々点と 落…