2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

癒しの唄

都々逸には短歌や俳句とは、ひと味違う力がある。哀しみを癒し、たとえ満たされなくても、辛くても、生きている自分を慰め、振り返りながらも明日へと流れていく心の中に都々逸がある。 だから僕は都々逸が好きなんだ。

もしも二人で 雑詠都々逸

(ーー;)もしも二人で並べるならばイフ(もし)が二人のイブになる (ーー;)誰も知らない互いのホクロ見つめあいましょ夜二人 (ーー;)今夜イブよね眠らず飲もういつそこのまま初日の出 (ーー;)三田や早稲田の学歴ないし金もないけど負けぬ愛 (ーー;)俺の秘密を知られたか…

泊まりたいけど トナカイ 折込都々逸

(ーー;)泊まりたいけど 何にもできぬ からだ見せれぬ 言えぬわけ (ーー;)とうに別れた 仲ではあるが からだ寂しや 今も泣く (ーー;)十日くらいは 仲良くしよう からだだけでも いいけれど (ーー;)豆腐なんかは 舐めさせないわ かたいお豆が いいお味 腐った豆は恐い…

題詠短歌 2010年

053:ぽかん ぽかんです月妖艶の劇場で好きなわけなど語れないまま 054:戯 戯れも飽き月よりも太陽で増え積もる毒よ消えされ 055:アメリカ 増えた星見失う月アメリカの自由が奪ったわがアルテミス(月の女神) 056:枯 枯れゆくはわが身ひとりかフルムーンの…

題詠都々逸 2010年

053:ぽかん ぽかんと浮かんで壊れて匂う風呂のおならのような恋 054:戯 たった一度の戯れでしただけど今でも好きな人 055:アメリカ 米はアメリカ日本はジャパン米の心は今いずこ アメリカなのに米国とはこれいかに 日本でもジャパンというがごとし 056:枯 …

題詠都々逸 2010年

049:袋 指を入れたら湿気ったみたい久しぶりだね袋菓子 050:虹 虹という虫かからぬ恋は悪い虫しか寄って来ぬ 051:番号 電話番号震える指で回し別れを告げた冬 052:婆 女心を世間の波の下に隠して婆婆になる

題詠短歌 2010年

049:袋 十五夜の酒の肴は子袋を噛み締め笑い否定する愛 050:虹 虹と月 星と太陽 何もない僕に貴女はもっと見たがる 051:番号 満ち欠ける月夜の宴抱く人は名前などより番号が似合う 052:婆 立待の月に祈りし早乙女よ鬼婆の声 隠せはしまい

もしもこの世で 雑詠都々逸

(ーー;)雨で流せぬ心の傷を涙で癒してくれた人 (ーー;)もしもこの世で一夜を過ごしゃ千夜あの世で腕枕 (ーー;)三つ子の魂百までならば三歳(みとせ)の恋は千歳(ちとせ)まで (ーー;)こんな俺でも拾ってくれたお前のおかげで役に立つ (ーー;)同じ男に生まれてながらあ…

冷えた心も 雑詠都々逸

(ーー;)冷えた心も貴方の指があればすぐとけ熱く濡れ (ーー;)錫のちろりは好みの燗で酌の手つきも俺好み (ーー;)逃げた女房にゃ未練はないがこぼした酒が口惜しい (ーー;)女だからと惚れたじゃないが脱がせたくなる君だから (ーー;)女心がわかれば下手な嘘もつかぬし苦…

題詠都々逸 2010年

045:群 群れを離れた貴方が好きで故郷捨ててついて行く 046:じゃんけん 浮気したでしょじゃんけんしましょあたし負けたら許すから 047:蒸 汗や涙や哀しみさえも蒸発したとてまた雨に 048:来世 命捧げて現世で惚れて来世で笑う余裕なく

題詠短歌 2010年

045:群 満たせれて満たされなくて満月に群れを離れて抱いた哀しみ 046:じゃんけん じゃんけんで負けた夢から消えてくれ上弦の月の上で静かに 047:蒸 涙ごと蒸発させて三日月の欠けゆく角で傷つきながら 048:来世 月満ちず想いは満ちず来世まで貴女とふたり月…

髪梳き

毎日、髪を洗うのが当たり前になったのはいつの頃からだろうか。 生理の時の洗髪は禁忌だったはずなのに、今の女たちはどうなのか。 僕の母はパーマの後は何日も髪を洗わなかったはずだ。 歌舞伎の濡れ場では「髪梳き」が男と女の性愛表現として用いられるよ…

創りものとしての都々逸

創り物としての都々逸 (ーー;)鉛色した雨打つ道であの日別れた三年前 (ーー;)学者みたいな顔してじっと見つめないでよお馬鹿さん (ーー;)この身剥ぐよに尽くした日々を捨てて出て行く男(ひと)の背中 (ーー;)ペットになれずにボトルにされて踏んで潰され捨てられて …

題詠短歌 2010年

041:鉛 求めても十一月の月遠く鉛直線に離れゆく女(ひと) 042:学者 月流れはや十二月飽きもせず学者のように見つめて想う 043:剥 剥ぎ取れぬ愚かさ笑って身を寄せて新月だから優しく抱いて 044:ペット 泣くよりはペットのように泣かせてよ下弦の月を待ち望…

題詠都々逸 2010年

041:鉛 鉛色した雨打つ道であの日別れた三年前 042:学者 学者みたいな顔してじっと見つめないでよお馬鹿さん 043:剥 この身剥ぐよに尽くした日々を捨てて出て行く男(ひと)の背中 044:ペット ペットになれずにボトルにされて踏んで潰され捨てられて

◆都々逸版:雪が降る◆

雪が降ったら あなたはこない 積もる話が あるのにね 雪が降る夜は 心は重く 夢も涙も凍りつく 遊ぶ子もなく 静かな時間 あなたきてよね 雪の夜 いくら呼んでも あなたはこない しんと静かな白い雪 あなたふるのね 雪降るように あついあの日を過去にして す…