2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

騒ぐ風鈴

041:扇 子供らが眠りつくまで団扇風 おくりつづけた母があの世に 042:特 特にない母の遺品を漁る秋 古びたヤカン騒ぐ風鈴 043:旧 旧道を押す車椅子母を乗せ これが最後の追い風の坂 044:らくだ 黎明にらくだのシャツで行く父を 風と見送るアカギレの母 045:…

熱が出る

036:バス (ーー;)二人入れば窮屈だけど 離れたくないバスルーム 037:療 (ーー;)治療できない私の病い すぐに恋して熱が出る 038:読 (ーー;)読んでみたいわ貴方の手紙 いつも短いメールだけ 039:せっかく (ーー;)入れてちょうだい濡れちゃう雨に せっかく二人になれた…

最後の寝顔

036:バス ソプラノがバスへと変わる呻き声 熱風は凍て母は無言に 037:療 治療法途絶えて母は死出を待つ 風に微笑む最後の寝顔 038:読 病床の母の想いを読み取れず カップ酒干す風下の闇 039:せっかく せっかくの介護保険も使わずに 風雪に耐え生きて死ぬ母 0…

ふられ雨

031:認 (ーー;)認めたくない振られたなんて きっと戻ってくるまでは 032:昏 (ーー;)婚という字の女が消えて 老いて黄昏(たそがれ)昏昏と 033:逸 (ーー;)かたいばかりの逸材よりも 粋でやんちゃな逸物と 034:前 (ーー;)出会う前から今度の恋は きっと泣くよな気がし…

黄昏の風

031:認 認印ひとつ押すごと母の死が 戸籍の底で風化していく 032:昏 呼びかけど母は応えず微笑まず 昏睡のまま黄昏の風 033:逸 時を止め母を殺して逸脱の 風はおさまりまた熱帯夜 034:前 「もういいよ行きな母さん」のろのろと 風車が止まる死の前夜祭 035:…

夢のあと

026:湿 (ーー;)湿った布団を干すのは眩し 燃えた二人の夢のあと 027:ダウン (ーー;)ダウンしたのね鼾をかいて 寝てるあなたが愛おしい 028:改 (ーー;)あれもこれもと改めました 惚れたあなたの言いなりに 029:尺 (ーー;)かたくなければ尺八だって 吹いたところで音は…