2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

サルビアの道

096:取 手に取ればサルビアの蜜赤々と 思い出燃ゆる逃げ去りし恋 097:毎 サルビアの蜜に染まりし思い出を 日毎変らぬこの道でまた 098:味 サルビアの一瞬の味に戸惑いて ビール飲み干す自販機の前 099:惑 誘惑に乗れぬ身体をひきずりて サルビア残しまたとぼ…

千夜枕を

081:シェフ 今夜たっぷり食べたいお肉 どんなコースかシェフ次第 082:弾 弾む心であなたのもとへ 沈む思いで帰る家 083:孤独 孤独だけれど愛しい人の 夢を見ましょか ほろ酔いで 084:千 千夜枕を並べた仲も 浮気一夜で閉じた幕 085:訛 御国訛りで甘えてみたい…

一輪の花

091:債 恋しくて答え債(はた)れば睡蓮の 葉の彼方には一輪の花 092:念 信念は形なさずに怨念を 沈めた池に睡蓮の花 093:迫 迫りくる老いの嵐に睡蓮は 声もたてずに闇に包まれ 094:裂 睡蓮の青の心は切り裂かれ 葉では隠せぬ底なしの沼 095:遠慮 瑠璃色の鉢…

夜になったら

076:スーパー いつもコンビニ今夜はスーパー たまに来る日はあの人と 077:対 試合長引き意識も薄れ 対戦相手の汗の味 078:指紋 あそこばかりに指紋を残し すぐに逃げ出すヘボなドロ 079:第 心第一 気にせぬ顔は だけどあんたの顔が好き 080:夜 夜になったら…

貴(あて)ぶの時は

086:貴 咲き誇る百日草を道連れに 貴(あて)ぶの時は色を失い 087:閉 恋すれど百日草は幕を閉じ 冷えゆく闇に弱き虫の音 088:湧 地獄より百日草は湧き出でて 色さまざまに怨念を描く 089:成 舞う蝶は百日草を見失い 夢成らぬまま土に横たう 090:そもそも そ…

色は褪せても

071:褪 色は褪せても寝床でたまにゃ 汗のあなたを思い出す 072:コップ 冷やをコップで一気にあおり 酔えば酔うほど寂しさが 073:弁 妻じゃないけど愛妻弁当 つくり笑顔で送り出す 074:あとがき 楽しかったと泣かずに書くわ 終った恋のあとがきに 075:微 意味…

脇道小道

081:配 配慮さえするもされるも哀しくて 擬宝珠咲かす脇道小道 082:万 千を超え万を超えても哀しみは 色褪せぬまま擬宝珠は枯れ 083:溝 擬宝珠に近づくほどにあの人に 伝えきれない溝を深める 084:総 脇に咲く擬宝珠見えぬ貴女には 僕のすべてを理解できまい…