2020題詠短歌 今夜もひとり

2020-011:域

風走る沈む心を置き去りに

手負いの酒は域を溢れた

 


2020-012:雅

優雅さもなく二枚目になれもせず

引きずる恋の垢にまみれて

 


2020-013:意地悪

意地悪な風にあおられ白塗りの

言葉失い今夜もひとり

 


2020-014:客

無観客スポットライトは月あかり

老けた女形を演じて愚痴を

 


2020-015:餌

目の前の餌に食いつく気力失せ

濡れ場も肌も心も枯れて