2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠都々逸 2012年

091:締 締めてみたいが小さな金じゃ 入れてみたとて締まりゃせぬ 092:童 今も見たがる童のように 愛や欲より戯れに 093:条件 してもいいけど条件次第 ずっと毎日するならば 094:担 担っておくれよ身の上までも 身の下ばかりを覗かずに 095:樹 樹齢千年経つ木…

題詠短歌 2012年

091:締 人生の締切間近ドタバタと逃げればさらに死が迫りくる 092:童 牧童は哀しからずや羊らの汚れに染まり臭い漂う 093:条件 生と死の条件提示に闇は揺れふざけんなよと怒声飛び交う 094:担 惑う子に手を差し伸べる我が身さえ担えきれずによろめきながら 0…

題詠都々逸 2012年

086:片 ほっておいてよ一人で泣くわ どうせ一人の片想い 087:チャンス チャンスばかりが何度も来ても 打つに打てない横恋慕 088:訂 訂しておくれよ嫌いだなんて せめて今夜は好きのまま 089:喪 喪服姿のお前に惚れて 未練強まる冥土旅 090:舌 舌の先から出る…

題詠短歌 2012年

086:片 冷えた手で熱い涙を注ぐ酒欠片みたいな人生だけど 087:チャンス パン食いの競争みたく愚弄するチャンスよりかは空が美し 088:訂 婚姻と離婚の印で記された訂正印を押せない戸籍 089:喪 いつの間に恋する資格喪失し老いて再び恋愛講座 090:舌 秋ひとり…

題詠都々逸 2012年

081:秋 飽きて嫌われ捨てられるなら 諦めましょう秋の夜 082:苔 苔むすまでと誓った新居 苔より先に黴だらけ 083:邪 風邪引き男は色気もあるが 看病しずらい花粉症 084:西洋 西洋東洋どうでもいいが 治しておくれよ恋の傷 085:甲 乙な人より甲乙つけりゃ 甲…

題詠短歌 2012年

081:秋 もう一本手酌の酒を熱くする一人寂しく深まる秋は 082:苔 舌苔を鏡に映す変な顔最後のキスを思い出せずに 083:邪 道標気にせず進め邪道でも人それぞれに傷めた足で 084:西洋 西洋の風に吹かれて東洋の雨に打たれてこの島に死す 085:甲 もの書けば亀甲…

題詠都々逸 2012年

076:桃 そこは駄目なの触れずにおくれ 傷みやすいの桃みたく 077:転 激しすぎるわ転がり落ちそ ベッドばかりか人生も 078:査 悪い心や病気がないか 検査してからきておくれ 079:帯 解いた帯からあふれた胸に 昔懐かし匂いして 080:たわむれ 何故にそんなにた…

題詠短歌 2012年

076:桃 適熟を待たずに傷む桃を食む 熟する前に傷みし君と 077:転 突然の転落速度に目を覚まし鳥は慌てて羽ばたく素振り 078:査 欲という罪人を追い捜査中ソドムのような心の奥を 079:帯 帯解けば昔懐かしい匂いして何もせぬままあの日を偲ぶ 080:たわむれ …

題詠都々逸 2012年

071:籠 飛んで行きたやあなたのもとに いけない行けない籠の鳥 072:狭 狭い寝床で寄り添いながら 耐える風雪温い肌 073:庫 書庫に隠した昔の手紙 読めば本より出る涙 074:無精 さっきよりかは愛しさ増して 肌にチクチク無精髭 075:溶 熱い思いに心も溶けて …

題詠短歌 2012年

071:籠 飛び出せば生きてはいけぬ狭き籠今のままでは暮らせぬ二人 072:狭 またひとつ静かに消えた選択肢狭き道行く行き止まりまで 073:庫 思い出を詰め込み過ぎた倉庫なら燃やしてしまえ回顧などせず 074:無精 指先に生きる痛みを伝えつつ無精髭がまた少し伸…

題詠都々逸 2012年

066:息 息を切らせて来たのにすぐに もっと激しい息づかい 067:鎖 鎖なんかにつながなくても 逃がしゃしないさ恋の罠 068:巨 そりゃ欲しいわ巨万の富も だけど貴方のほうが好き 069:カレー 今日のカレーは塩っぱいかしら 彼と別れた涙味 070:芸 芸(ゲイ)で…

題詠短歌 2012年

066:息 微笑みの息を弾ます息子らと息を合わせて駆け上る坂 067:鎖 切り取れぬ連鎖の罠と知りながら死への近道生き残るため 068:巨 酔うほどに隠せぬ想い捨てに出る巨大化してる向日葵の下 069:カレー こびりつく鍋底の日々削ぎ落とす作り置きしたカレーまみ…

題詠都々逸 2012年

061:企 何か企て惚れさせましょう 服を脱ぐのはその後で 062:軸 想い託して回した独楽も 軸が狂ってままならぬ 063:久しぶり 久しぶりよねあなたとお風呂 すべて知ってる仲だけど 064:志 寸暇惜しんで働くくせに 寸志を惜しむ嫌な客 065:酢 お酢をさすよな話…

題詠短歌 2012年

061:企 企てに翻弄されて企てる惚れた素振りの脱げない服で 062:軸 基軸さえ狂い始めて早や三年行くも帰すもままならぬまま 063:久しぶり 久しぶり見上げる月にかかる雲ながれる時にひとり佇む 064:志 何時の間に流れ流され朝靄に包まれ消えた志す道 065:酢 …

わたしゃ干し柿

(ーー;)わたしゃ干柿世間の風に 耐えて腐らず増す風味 (ーー;)蟻よ働け動きをやめた 蟻を見るのは哀しかろ (ーー;)子どもほしいと言ってたくせに なんで私を泣かせるの (ーー;)とどの詰まりはせっかくためた 金も取られるヘボ将棋 (ーー;)滝を登って行く鯉みたく 登っ…

題詠都々逸 2012年

056:晩 晩のおかずはお前がいれば 酒と寝床があればいい 057:紐 赤い紐では結べぬ縁(えにし) 何時ももつれているばかり 058:涙 涙よりかはひと汗かいて 後はさっぱり流しましよ 059:貝 開けてご覧よあなたの熱で 死んで開かない貝じゃなし 060:プレゼント …

題詠短歌 2012年

056:晩 毎晩の酒と寝床に逃避してひとり夢見る明日への希望 057:紐 何時の間にたまりし紐を納めたる開かずの缶は錆びついたまま 058:涙 明日までと走り疲れて闇の道涙よりかはひと汗かいて 059:貝 荒海の貝殻二枚合わせても二度と出会えぬジキルとハイド 060…

題詠都々逸 2012年

051:囲 越すに越せない囲いの陰で 咲かず枯れゆく無名花 052:世話 世話になったとねぎらわれては 去って行く背にすがれずに 053:渋 渋い男も渋柿さえも 少し世話すりゃ甘くなる 054:武 武士は食わねど元気がなけりゃ 妻の用事も立たぬ役 055:きっと きっとく…

題詠短歌 2012年

051:囲 越せそうな低い囲いの中なのに卑屈に笑う飼犬になる 052:世話 世話という言葉の中の虐待に愛はあるのか死に行く命 053:渋 渋々と生きる命も何時の日か渋さを増して生きる命か 054:武 武力では奪える命愛あれど救えぬ命川に流して 055:きっと このまま…

題詠都々逸 2012年

046:犀 馬鹿じゃないけどあんたは河馬ね 角がないからなれぬ犀 047:ふるさと 見せておくれよふるさとだから 母のここから出た命 048:謎 帯をといても解けない謎は 何故に惚れたかこの女 049:敷 敷いてちょうだい布団を早く 酔って意識をなくす前 050:活 切れ…

題詠短歌 2012年

046:犀 泥水と犀戯れて何想う生きることとは犀のごとしか 047:ふるさと ふるさとを持たぬ男の望郷はまだ見ぬ死へのノスタルジアか 048:謎 いがみ合い傷つけ暮らす謎の縁なぜに惚れたか惚れられたのか 049:敷 無意識に敷いたレールの上を行く意識しているふり…

題詠都々逸 2012年

041:喫 今夜来ないとわかっていても お代わりしましょか喫茶店 042:稲 稲は実れば頭を垂れて 老いて男は項垂れて 043:輝 暗いお方の隣にいては 月も隠れて輝かぬ 044:ドライ ドライアイでは涙も出ぬに たまにゃ濡れましょ泣く愛で 045:罰 こんなあんたに心を…

題詠短歌 2012年

041:喫 来ぬ人と知りてなお待つ喫茶店コーヒー色に想いも染めて 042:稲 逃げる陽に実らぬ稲は立ち枯れてなぜにどうしてこうなったのか 043:輝 輝きの日々は流れて海底の闇に流され沈む言の葉 044:ドライ 初恋の瑞々しさは保てねどドライフルーツみたいに甘く…

題詠都々逸 2012年

036:右 右に行こうかそれとも左 まっすぐ行けない恋の道 037:牙 牙を涙で凍らせましょう 冴えぬ想いも冴え冴えと 038:的 的を外して焦らそうなんて そんな思いが的外れ 039:蹴 蹴ったボールを追いかけたまま 声を残して消えた子ら 040:勉強 勉強嫌いなあの子…

題詠短歌 2012年

036:右 ネオン咲く何処で消そうかこの想い右も左もわからぬままに 037:牙 虎落笛遠吠えさえもままならず凍てつく牙に我が身を捧ぐ 038:的 的を得た言葉ひとつに射抜かれて静かに割れた心哀れむ 039:蹴 校庭に声だけ残し消えた子よ蹴ったボールを追いかけたま…

題詠都々逸 2012年

031:大人 大人なんかになりたくないと 泣いたあの子もいま白髪 032:詰 詰まらないわね二人の夜は いつもそっぽを向いたまま 033:滝 滝に打たれて清めるよりも 心にしみる涙雨 034:聞 聞いておくれよたまには愚痴を 惚れて嫁いだわけじゃなし 035:むしろ むし…

題詠短歌 2012年

031:大人 眉毛さえ白髪混じりに成れの果て大人になれぬままに散りゆく 032:詰 夢の夢そっぽを向いたままの夜狭き寝床に詰め寄る吐息 033:滝 青緑心にしみる滝の音赤一輪に心奪われ 034:聞 聞く人もまた一人消え暗闇に愚痴念仏の祈りの儀式 035:むしろ 目指す…

題詠都々逸 2012年

026:シャワー ちょっと熱めのシャワーを浴びて 消える残り香胸の中 027:損 あたしばかりが損よねいつも 堪える喜び知ったけど 028:脂 恋という字も脂肪の中で 肥えという字に様変わり 029:座 座ってちょうだい目をそらさずに 浮気ぐらいは許すから 030:敗 敗…

題詠短歌 2012年

026:シャワー いつもより熱めのシャワー浴びてなお浮かぶ残像消せぬ残り香 027:損 喪失に耐える喜び知らされて損ずる時の砂を数える 028:脂 凍りつく脂の心もえもせず溶けて戻らぬ二度とあの日に 029:座 座してさえ目を合わさずに流れゆく時の重みに歪む窓辺…

題詠都々逸 2012年

021:示 いつかきそうな別れの予感 暗示するよな月の雲 022:突然 別れましょうか突然ですが 別れられなくなりそうで 023:必 いつかあんたも泣かせてみたい だって今夜は嬉し泣き 024:玩 玩具浮かべて遊んだ波と どこに消えたかあの命 025:触 他の女の臭いが染…