都々逸

都々逸 愛の賛歌

「愛の賛歌」は岩谷時子の訳詞が有名だが、原作とはずいぶん異なるそうだ。原作に近いらしい訳を参考にしながら、都々逸にしてみた。 シャンソンの訳詞風都々逸 愛の賛歌 地震・原子炉 天地は崩れ きっと滅びる この地球 でもねあなたの 愛さえあれば そんな…

恋の宿

(ーー;)お酒ちょうだい酔わせておくれ よっていきたい恋の宿 (ーー;)けして好みのタイプじゃないが 酔って抱かれた時は好き (ーー;)なんでいくのよ、いけない私 待ってくれたらいけたのに (ーー;)遊びですよね夕焼け小焼け 遊び終われば皆帰る (ーー;)一人さみしく梅雨…

黒うなり

(ーー;)酔った振りしてだまされましょう 惚れたあなたの嘘だもの (ーー;)衣装化粧で隠した肌を あなただけには見せたくて (ーー;)知っているくせ知らない素振り そこじゃないのに じらされて (ーー;)抑えきれずに叫んだ声で やっと素顔になれたよな (ーー;)苦労重ねて…

婆となり

(ーー;)桜並木をあなたに会いに 桜吹雪にせく心 (ーー;)ひとり見たときゃ蕾の桜 二人見るときゃ散る桜 (ーー;)人目忍んで絡ます指を ほどき触れましょ散った花 (ーー;)二人並べば月夜の影に 隠しきれない深い仲 (ーー;)憎みたくなる貴方の浮気 だけど許すわ好きだから …

寒い街

(ーー;)ひとり待つ夜は不安が募り こぼしてばかりの手酌酒 (ーー;)抱かせてください湯湯婆代わり 散歩するには寒い街 (ーー;)早く会いたいあなたのために 活けてあるのよ姥桜 (ーー;)枯れちゃいないわ貴方の指が そっと触れればまた開く (ーー;)二人並んで白河夜船 目…

あの臭い

(ーー;)はやるばかりで文さえ書けぬ 早く来いこい春の恋 (ーー;)雪が降っても今夜は行くわ 会えばもうすぐ春だから (ーー;)せめて今宵は女に戻り 抱かれたくなる雪景色 (ーー;)いつになったら電車は来るの あなた待つより辛い雪 (ーー;)惚れていたいの酔わしておくれ …

足の跡

(ーー;)行こか戻ろか雪降る道に 残したくない足の跡 (ーー;)よしなさいよとみんなは言うが 会いに行きましょ好きだから (ーー;)襟を正せば進めぬ道も 胸襟開けば出る一歩 (ーー;)人目忍んで深めにかぶる 帽子取られてされたキス (ーー;)堅い男はつまらぬけれど 硬くお…

甘い汗

(ーー;)月は満ちても満たない心 ぽっかりきれいにあいたまま (ーー;)自棄のやんぱち無理やり君を 犯す気持ちは純なもの (ーー;)どうせ死ぬなら過労死よりも 快楽(けらく)求めて腹の上 (ーー;)何もぬかさず私でお抜き 抜けばわかるわ愛なんか (ーー;)酔ったあなたは嫌…

疼く想い

(ーー;)角を出したら出てきた本音 不貞ごころを隠せずに (ーー;)家にいるときゃ良妻賢母 人目忍んで脱ぐ仮面 (ーー;)嫌よダメよといつものセリフ 今は可愛さ消えたけど (ーー;)粋な兄さん(二三)今では老いて 四の五の言うだけ着たままで (ーー;)年をとっても女は女 …

平成25年初日の出

(ーー;)雲と心は流され変わる 初日出る屋根変わらぬに

きよしこの夜

(ーー;)きよしこの夜すてきな酒も 飲んで終りじゃ味気なや (ーー;)憎い言葉で言い寄られては 駄目とつぶやき消す灯り (ーー;)灯り消しても輝き増して 吐息蠢く白き肌 (ーー;)残る理性もすぐとけ燃えて 抱かれ微睡みゃ今朝は雪 (ーー;)服を着る間も をこつるなんて 鏡も…

わたしゃ干し柿

(ーー;)わたしゃ干柿世間の風に 耐えて腐らず増す風味 (ーー;)蟻よ働け動きをやめた 蟻を見るのは哀しかろ (ーー;)子どもほしいと言ってたくせに なんで私を泣かせるの (ーー;)とどの詰まりはせっかくためた 金も取られるヘボ将棋 (ーー;)滝を登って行く鯉みたく 登っ…

夏は来るのか

(低音) 堅いお前もそろそろ中は西瓜のように熟すころ (中音) 膝を枕に団扇の香りずっとこのままいたいけど (高音) ドンと感じてすぐさま消えた花火のような夏の恋

地獄行きましょ 雑詠都々逸

(ーー;)地獄行きましょ天国よりもあなた追いかけどこまでも (ーー;)精をつけよと食わせてみたら亭主ますますメタボ腹 (ーー;)惚れたお前を背負うてみれば冷えた心に灯がともる (ーー;)いつか財布は底つくだろが惚れたほろ酔い醒めぬ仲 (ーー;)煮しめ料理も別れた妻と似…

下の心を 雑詠都々逸

(ーー;)惚れているのに届かぬ想い老いて本音も弱くなり (ーー;)こんな女に育ててくれた過去の男に感謝して (ーー;)過去の想いで今でも胸に秘めたお前が好きだから (ーー;)俺はお前の男じゃないか俺の女が見る夢じゃ (ーー;)下の心を隠していては恋という字も書けやせぬ…

都々逸作家がまた一人消えてしまった

都々逸作家がまたひとり消えてしまった。彼女は何度にも渡る乳癌手術の苦しみに耐え、死を目の前にしながらも都々逸をつくり続けていた。 病床に臥しながら短歌や俳句をつくり続けた作家は多いが、その作品の根底に病の臭いがいつも流れている。ところが都々…

どこへ行くのか 雑詠 都々逸

(ーー;)どこへ行くのか逃げ出す雲を逃がすものかと風が追う (ーー;)春は過ぎてもお仕舞いなどと仕舞いきれずに華の舞 (ーー;)想う心は散りても消えぬ涙の風と舞い戻る (ーー;)凍みた心と野菜は二度と元にゃ戻れぬチンしても (ーー;)好きと囁く恋唄などは側にいるなら歌…

蝋梅咲く庭 蝋燭 折込都々逸

老化したのか 動けぬ恋が そんなこんなで 悔しくて 露骨過ぎずに 浮かないわてを その気にさせて くれる人 蝋燭みたいな 薄暗闇で そっと脱がせて くだしゃんせ ローエンドローと うねりの中へ それでも再び 繰り出して 蝋梅咲く庭 嬉しい酒を そっと寄り添い…

逃げて行くのね ニセモノ 折込都々逸

逃げて行くのね 背中でわかる 物も言葉も 残さずに 二度と言わない せやから抱いて もうこれ以上 望みゃせぬ にっこり笑えば 世界が変わり もっと笑えば 伸びる腰 二度と負けない 世間の風にゃ もっと自由に のほほんと 憎い男の 背中にすがる もうすぐ朝日が…

春はすぐそこ 花巻 折込都々逸

話聞いてよ 内緒の話 待ってた彼から キス便り 肌の温もり 仲良く二人 枕並べて 聞く寝息 儚すぎるわ 名乗れぬ恋は 窓の灯りが 消えるよに ハンカチーフで 涙を拭けば まつ毛崩れて 消えた恋 春はすぐそこ 泣くのはおよし 窓を開ければ 気も晴れる

イッたその夜は 石川 折込都々逸

イッたその夜は 幸せ過ぎて 哀し過ぎるは 別れ朝 いいと言ってよ 知らん顔せず 可愛いややこを 私にも 愛しぃあなたを 偲んでひとり 傘もささずに 渡る橋 粋な出会いを 信じたわたし 可愛いかったわ 若いころ いじめないでよ 死にたくなるわ 過去のことなど …

人目忍んで 雑詠 都々逸

(ーー;)人目忍んでようやく二人灯り消さずに見せる肌 (ーー;)ガキの頃からくじ運悪く赤い糸引きゃハズレダマ (ーー;)あなた来た夜下着の底に残る想い出暖かく (ーー;)寂しさ根雪に積った寒さ一夜抱かれりゃすぐにとけ (ーー;)別れるつもりはサラサラないがたまにゃ茶漬…

なんと言わりょが 雑詠 都々逸

(ーー;)なんと言わりょがその傷さえもお前のすべてが好きだから (ーー;)すねて横向くお前の背中にほくろ見つけてキスをする (ーー;)いっそこのままお前の毒でしびれさせてよ床の中 (ーー;)神も仏も欲しいがもっと欲しいカミさんどこにいる (ーー;)拗ねるという字よく見…

これを着ましょか 雑詠 都々逸

(ーー;)これを着ましょかクリスマスにはあれを付けましょ初詣 (ーー;)赤いお召しで還暦パパがサンタみたいにくれた品 (ーー;)貴方見たての羽織が温い二人寄り添う雪の中 (ーー;)和服姿で微笑み立てばイルミネなどより輝いて

終りたくない 雑詠都々逸

(ーー;)終りたくない このままずっと 出れぬ迷路で惑う恋 (ーー;)ひとりぼっちの夕焼け影絵 ふたり寄り添う夢の影 (ーー;)恋の言の葉 都々逸託し 遊びごころで唄う闇 (ーー;)愛とお酒は少しじゃ済まぬ そそぎだしたら止まりゃせぬ (ーー;)涙凍った お前の寝顔 そっと抱…

しょせん身体は 雑詠 都々逸

(ーー;)しょせん身体は心の器 身体なくても恋心 (ーー;)夜叉が仏に なる日をじっと 花が咲く春 待つように (ーー;)揺れる心に うつむく背中の 影を慕いて柳橋 (ーー;)老い楽は 夢じゃ激しく燃えてもさめて 昼はのんびり日向ぼこ (ーー;)サンタ稼業もそろそろ辞めて い…

嘘も秘密も 雑詠 都々逸

(ーー;)嘘も秘密も育みながら 老いた二人で描く恋 (ーー;)恋の炎を燃やすか消すか 妙に肌刺す風が吹く (ーー;)冷えた身体も忘れぬ涙 雪もとければ温い水 (ーー;)恋の都々逸お前の唄が 俺の心をふるわせる (ーー;)逢えはしないと知りつつ惚れて 契り交わした夢の中

もしも二人で 雑詠都々逸

(ーー;)もしも二人で並べるならばイフ(もし)が二人のイブになる (ーー;)誰も知らない互いのホクロ見つめあいましょ夜二人 (ーー;)今夜イブよね眠らず飲もういつそこのまま初日の出 (ーー;)三田や早稲田の学歴ないし金もないけど負けぬ愛 (ーー;)俺の秘密を知られたか…

泊まりたいけど トナカイ 折込都々逸

(ーー;)泊まりたいけど 何にもできぬ からだ見せれぬ 言えぬわけ (ーー;)とうに別れた 仲ではあるが からだ寂しや 今も泣く (ーー;)十日くらいは 仲良くしよう からだだけでも いいけれど (ーー;)豆腐なんかは 舐めさせないわ かたいお豆が いいお味 腐った豆は恐い…

もしもこの世で 雑詠都々逸

(ーー;)雨で流せぬ心の傷を涙で癒してくれた人 (ーー;)もしもこの世で一夜を過ごしゃ千夜あの世で腕枕 (ーー;)三つ子の魂百までならば三歳(みとせ)の恋は千歳(ちとせ)まで (ーー;)こんな俺でも拾ってくれたお前のおかげで役に立つ (ーー;)同じ男に生まれてながらあ…