2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

題詠短歌 2009年

053:妊娠 妊娠と無縁になって輝きを増した五十路の女との恋 054:首 首切られ路頭に迷う日々なれど恨みはしまい静かに寝よう 055:式 さあ早く裸におなり僕式の恋に着飾る服はいらない 056:アドレス 携帯が壊れてしまった終りだね君のアドレスもうわからない

題詠都々逸 2009年

053:妊娠 妊娠は あなた「任」せで「震」えていても女ですもの浮かぶ文字 054:首 首を長くにあなたを待てばチクチク痛い別の首 055:式 方程式では解けない恋に眠れぬままに悩む日々 056:アドレス 何を書いても届かぬ人のメールアドレス消せぬまま

題詠短歌 2009年

049:ソムリエ あまたいる中から今日の月に合う君を選んだ僕はソムリエ 050:災 災いの渦中の人になりながら熱くなれずに氷の世界 051:言い訳 言い訳を考えているわけじゃない別れる理由見つからぬだけ 052:縄 荒縄の食い込む肌が朱に染まり哀しげな眼で揺れる…

題詠都々逸 2009年

049:ソムリエ わかっているのねソムリエならばこいの料理にあわぬ酒 050:災 《くくく》と笑って《火》つけた恋で災いばかりの辛い日々 051:言い訳 いいわけないでしょ言い訳なんかいいから早くいい仲に 052:縄 お縄覚悟でなんでもするわあなたの心盗むため

性的精神世界の詩

都々逸が永年育んできた性的で粋な世界を唄える女は少ない。 男を転々としている女と亭主しか知らない女とでは、転々としているほうが性的人間だと思われがちだが、しかし実際はそうとは限らない。 都々逸作家に向いているのは、性行為の経験が多いだけの単…

語りたいのよ 酢漿草(かたばみ)折込都々逸

(ーー;)彼を待つ日は 黄昏どきに 薔薇のお風呂に 身を沈め (ーー;)勝手すぎるは 助けもせずに 馬鹿にしたよに 見てるだけ (ーー;)語りたいのよ たまには過去を バーテン相手に 身勝手に (ーー;)哀し想い出 束ねた花が バ-ボン揺れては 見え隠れ (ーー;)欠けたグラスが…

題詠短歌 2011年

061:有無 牡丹背にムー大陸の有無を問う髪と瞳は惓むこともなく 062:墓 墓守の子は引き籠りアマリリス咲けど儚い部屋を守りて 063:丈 オリーブの燦たる葉音丈高し歌の言の葉包み掻き消す 064:おやつ 窓辺咲く選り取り見取りポリアンサおやつのロゼはホテルで…

嘘と知りつつ 雑詠都々逸

(ーー;)口で争い傷つく心癒す手だては口と口 (ーー;)嘘と知りつつあなたの嘘を 信じてみたい好きだから (ーー;)嫌と言うほど嫌いじゃないがどうせするなら惚れた人 (ーー;)部屋の中まで受け入れたけど 私の心開かぬまま (ーー;)久方ぶりに掃除をすればいつにまいたか豆…

文字数は同じでも

都々逸は通常、7・7・7・5文字で作られるが、頭に5文字を付けた5・7・7・7・5の型もある。≪三十一音の五字冠》と言われ、これで短歌と同じ文字数になる。 短歌と同じ文字数なのだが、短歌とは異なる趣きが都々逸にはある。 あの人の どこがいいか…

櫛すく君に クチナシ折込都々逸

(ーー;)口がなければ チュウさえできず 悩む想いも しゃべれない (ーー;)苦楽ともにと 誓ったけれど なぜかなれない 幸せに (ーー;)悔やんでみても 散りゆく我が身 涙こらえて 忍び逢い (ーー;)櫛すく君に 近づき抱けば 流す涙の 潮の味 (ーー;)苦労したけど 近頃やっ…

題詠短歌 2011年

057:ライバル 太陽のライバルなんて北風は君と薔薇とを脱がす前フリ 058:帆 行く宛も定まらぬらし帆翔の下で揺れ泣く柳飛べずに 059:騒 騒騒とマーガレットの追憶は騒人なれずに酔うてDV 060:直 直視して伝えたいこと正直に直に素直な菫になって

口に入れずに 雑詠都々逸

(ーー;)亭主の前で閉ざした口も家の外では開いたまま (ーー;)口に入れずに黙っていると早くお食べとせく貴方 (ーー;)長く漬け込み馴染んだ味は噛めば噛むほどだしが出る (ーー;)災うもとと知りつつ口を出して我が身を傷つける (ーー;)蛇の目さし出し相合い傘で 体重ね…

うさぎ 折込都々逸

(ーー;)歌を唄おう 寂しい時は ぎょうさん歌えば 気も晴れる (ーー;)浮かぬ想いに 魚になって 銀座の底の 群れの中 (ーー;)ウィスキーでは さっばり酔えぬ 銀座のママの 好きに酔う (ーー;)嬉しい時も 寂しい時も ぎゅっとボトルを 抱きしめて (ーー;)噂ばなしで 酒で…

老いても隠せない性への想い

若い時はどんな表現をしてみても、それを浄化する力が自然に備わっているものだが、老いてからの性的表現は余程気をつけて行わないと下品なものになり、老醜を晒すことになる。老醜と言われるように、老いてゆく現実は醜なのだ。 都々逸だからといって何も…

忘れられない 雑詠都々逸

(ーー;)忘れられない旦那の癖を若いつばめに教え込む (ーー;)いやで別れたあいつの癖と同じ癖持つ人に惚れ (ーー;)あつい夜には畳の縁を夜具から出た手が掻きむしる (ーー;)知らぬ女房は物足りぬけど 一度知ったら般若面 (ーー;)お熱ありそな おでこに触れた その手滑…

自分の中の言葉たち

僕は折込都々逸が好きだ。折込の言葉あそびを楽しむことによって、自分の中に眠っている言葉たちが踊りだし、縛りの中で広がっていく創作の自由を味わえるようになる。この感覚を身につけると、自分が本当に表現したい都々逸を創作する時、表現世界が広がっ…

戯れすぎて 雑詠都々逸

(ーー;)力ずくでは開かぬ門もお百度参りですっと開き (ーー;)戯れすぎて背中に残る畳のあとと濡れた髪 (ーー;)嘘と知りつつそ知らぬ顔で聞いてうなずく誓いごと (ーー;)責めじゃ泣かぬが情けに弱い若くはないが濡れる頬 (ーー;)かけばかくほどまだかきたらぬ朝な夕なに…

早くおあがり 雑詠都々逸

(ーー;)はじめましてと玄関先でお辞儀したままもじもじと (ーー;)早くお上がり頭(こうべ)をあげてすでに辺りは夜の雨 (ーー;)はじめましてと旦那が来れば外に出てくる子供たち (ーー;)〆(しめ)がよければ全てが良しと古今東西皆が言う (ーー;)箱入り娘も嫁いだ先で…

題詠短歌 2011年

053:なう まだ咲かぬ桜の下の上野なう来ないでいいよ来ないでおくれ 054:丼 桜丼白い素肌に花散らし覆い隠せばさらに増す欲 055:虚 虚無僧の如く心を天蓋に隠し君待つ譲り葉の風 056:摘 摘む花もなき雑踏でつままれて狐誘う花園に死す

愛想つかして 青竹 折込都々逸

(ーー;)あきらめきれずに お手紙書いて 焚き火で灰と 煙にして (ーー;)愛想つかして お別れしたが たまにゃやりたゃ 喧嘩でも (ーー;)愛のお礼に おごるわ今夜 たんとお飲みよ 景気よく こんな女、いないよね。 (ーー;)朝が来たわよ 起きてよ早く 体操しましょ 健康…

題詠短歌 2011年

049:方法 離別せぬ方法重ね騙し塗る枯れても部屋にまだヒヤシンス 050:酒 ベランダで嗤うパンジーに脅されて酔うてバンジー五勺の酒で 051:漕 絵の花を愛でる老婆は時忘れ漕ぎ徘徊る狭き廊下を 052:芯 花芯見て百七十センチある白くか細き少女駆け去る

題詠都々逸 2010年

005:乗 乗って乗られて乗せられ濡れてシーツに残る泣いたあと 006:サイン サイン読めずに見逃すばかり振ったバットが空を切る 007:決 結婚しようと二人で決意 決っていたのに決別に 008:南北 南北貫く貴方の鉄で あつくなったり震えたり

題詠短歌 2011年

045:幼稚 シリアルを食べる音さえ煩くて幼稚と万年青枯らし去る女 046:奏 琴線を奏でる日の出肩を抱く桜散るとも桜咲くまで 047:態 態とめくざわめきの街態々と桜の下で別れ話を 048:束 束ね髪解く束の間に燃ゆる恋束縛を解き昼のアザレア

いつか会えそな 雑詠 都々逸

(ーー;)せっかく来たのにゆっくりおしよ すぐにうな垂れ逃げ出さず (ーー;)テレビ見る背に冷たい風が 別れ言わずに閉まるドア (ーー;)二人暮らした心の棘が 今も抜けずに疼きだす (ーー;)化粧落とした顔など見ずに じっくりご覧よ見たいとこ (ーー;)しゃべらないでよ本…

題詠短歌 2011年

041:さっぱり さっぱりと髪を洗いて花の朝夕べの酔いはひらりと流し 042:至 芝桜寝転びながら夏至までに全て読み終え僕は出て行く 043:寿 還暦の子のため揚げたカツ焦がし米寿の母と泣くカーネーション 044:護 散る花は風に渦巻き地を這うて護り切れずに消え…

羽があったら 薄暑 折込都々逸

(ーー;)はじめて見れば 食いつく餌も 知ったあとでは 寄りつかぬ (ーー;)羽があったら 悔しいときは 白い雲間で 酔えるのに (ーー;)恥ずかしがらず 口づけしよう しても続きは 夜を待つ (ーー;)儚い恋に 苦労を重ね しらけ白々 夜明けまで (ーー;)激し過ぎたら 苦しく…

題詠 2011年

037:ポーズ プロポーズする気ないのにするポーズ熊谷草を差し出しながら 038:抱く 暗室でダークマターを抱く日々を貴女が変えた光さす胡蝶花(シャガ) 039:庭 海棠を見上げる庭の黒猫よ僕の痛みを半分あげる 040:伝 花水木知らなくていい戦争は伝えたくない…

ひとり酒でも 雑詠 都々逸

(ーー;)ひとり酒でも嫌ではないが女のからだが恋しくて (ーー;)飛んで逃げてく薄翅蜉蝣 恋の陽炎消えた夜 *薄翅蜉蝣(うすばかげろう、薄馬鹿下郎) (ーー;)鯔背だったとあなたの猫背 見つめ 眠れぬ夜ひとり (ーー;)背中押されて始めた恋も 今じゃひとりでもがく沼 …

題詠 2011年

033:奇跡 藤は揺れ奇跡ばかりの日常は平凡な日々となり家族は 034:掃 吐けば掃く消せない躑躅掃けば吐く上手く笑えずグラスの欠片 035:罪 罪気積む紡げぬ罪の償いは芍薬のキス手酌の後で 036:暑 暑いのは君のせいかな流れ出る冷汗落ちて咲く桜草

じらさないでよ 蛇の目 折込都々逸

(ーー;)自信なくして 病に倒れ 野垂れ死にいく 迷路かな (ーー;)除夜の鐘つき 闇夜に厄を 飲んで落とせる めでたさよ (ーー;)じらさないでよ 闇夜でひとり 野原濡れ露 目に涙 (ーー;)ジャグジ-よりか やっぱりタライ 覗き穴から 目が光る (ーー;)時間厳守の 約束した…