題詠都々逸 2009年

題詠都々逸 2009年

097:断 油断大敵油を絶てず脂肪だらけの腹回り 098:電気 帰りたくないこのままずっと電気ブランの甘い夜 099:戻 戻り鰹は美味ではあるが戻り娘は脂肪だけ 100:好 好きだ好きだと言わせてみたいだってこんなに好きなのに

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093:鼻 上手く丸めて飛ばしてみたい鼻くそみたいな嫌な客 094:彼方 遥か彼方の遠いい昔たしかに貴方が好きだった 095:卓 卓の上には食いたいものが残っているけどちょいとキス 096:マイナス 手取り収入マイナスばかりなのに増えてく身の重さ

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089:テスト テストさせてよ朝までずっとテストステロンその威力 090:長 長居無用とすぐ出るあなたたまにゃ一緒にいきたいわ 091:冬 冷たいお方ととっとと別れ温いあなたと冬ごもり 092:夕焼け 女ですものたまには妬くが夕焼けみたいに明日は晴れ

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085:クリスマス 赤いべべ着て真っ赤なお鼻還暦祝いのクリスマス 086:符 オタマジャクシがお部屋に溢れ終止符打つにゃ遅い恋 087:気分 伊達な仕草もこうなるときは気分次第で板につく 伊達巻、ナルト、板についた蒲鉾なら紀文だよね 088:編 嫌な思い出たくさ…

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081:早 早く起きても眠れぬ夜も話し相手がいない部屋 082:源 いつも笑顔のスタミナ源は妻のつまみで飲むお酒 083:憂鬱 亭主相手じゃ憂鬱な務め相手変われば夢うつつ 084:河 河岸を変えよか仕事も家も変えてみたいと思う夜

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077:屑 星屑に 笑顔よりかは涙が少し 重い夜だねロンリネス 078:アンコール アルコール 頭の中ではカ-テンコ-ル アンコールだぜ迎え酒 079:恥 恥じらう乙女に戻れぬままに 恥毛すられて さらす恥 080:午後 朝は起きても午後まどろんで夜になったら立たぬ役

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073:マスク マスクしてると気になるお口無理に脱がせば変な口 074:肩 肩肘張って挑んできてもすぐに肩息肩すかし 075:おまけ お~負けしそうな人生だけど恋のおまけは宝もの 076:住 住み慣れた 終(つい)の棲家に吹く隙間風 対の茶碗は欠けたまま

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069:隅 片隅で 泣いていないでこっちへお寄り床もそろそろかわくころ 070:CD CDに 流れる都々逸一人寝哀し三味の女がいない夜 071:痩 将棋好き 痩せても枯れても金玉あれば角を逃れて尽きるまで ・将棋=娼妓(しょうぎ=遊女、公娼) ・金玉(きんぎょ…

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065:選挙 どこに入れよがお好きなほうへあなたしだいの 選挙権 066:角 白い無垢でも時間がたてば隠せぬ角にシミとシワ 067:フルート 心震えて体も震え口とフル-ト震えあう 068:秋刀魚 妬きたくないけど一人で焼いた秋刀魚の煙が目にしみる

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061:ピンク クロウ(苦労)ばかりを塗り付けられりゃ ピンクの乳首もクロウ(黒う)なる 062:坂 無邪気すぎたねあの約束は涙に変わる 桜坂 063:ゆらり むかし抱かれてゆらりと揺れた乳房の動きが違う今 064:宮 休憩しているあなたはまるで宮刑された 人みた…

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057:縁 女遊びが過ぎたる人と別れられない深い縁 058:魔法 魔法使いの箒があれば立つ鳥あとを濁さずに 059:済 済んだことだと先ゆく人の寂しい背中に文字を書く 060:引退 引退試合はホ-ムでしよう道場破りは もうよして

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053:妊娠 妊娠は あなた「任」せで「震」えていても女ですもの浮かぶ文字 054:首 首を長くにあなたを待てばチクチク痛い別の首 055:式 方程式では解けない恋に眠れぬままに悩む日々 056:アドレス 何を書いても届かぬ人のメールアドレス消せぬまま

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049:ソムリエ わかっているのねソムリエならばこいの料理にあわぬ酒 050:災 《くくく》と笑って《火》つけた恋で災いばかりの辛い日々 051:言い訳 いいわけないでしょ言い訳なんかいいから早くいい仲に 052:縄 お縄覚悟でなんでもするわあなたの心盗むため

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045:幕 あなたと出会って開いた幕も褥すべりで閉じる幕 046:常識 ちゃんとあるわよ常識くらいそれでも死にたい恋の罠 047:警 警察なんか頼りにならぬ早く自首して恋泥棒 048:逢 逢えばうれしやからだも軽く逢えばかなしやおもい足

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041:越 呉越同舟もうやめにして越してはならぬ川に舟 042:クリック あなたの心をクリックすれば何が見えるや開くやら 043:係 お世話係りでいいから今夜あなたの横で過ごしたい 044:わさび わさび抜きではしまらぬ鮨よちょいと泣くよにつまむ恋

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037:藤 藤波みたいにつれないそぶり酔いも恋路も棚上げに 038:→ 乱(卵)に向かいて→(矢)は飛びゆくが 月夜は神(紙)に包まれて 039:広 広いお部屋も大きなかたがどんと入れば狭くなる 040:すみれ すみれ咲くころ出会った妻とバイオレンスの家に住む

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033:冠 私の田畑(でんぱた)冠水騒ぎ臀部の肌まで濡れるほど 034:序 序ノ口相撲はもう飽きましたもっと知りたや破や急も 035:ロンドン ロンドンブ-ツの匂いを嗅げば 泣いているよりしたくなる 036:意図 あなたの意図もほつれた糸も切ってしまおう解けぬなら…

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029:くしゃくしゃ 顔と服とをくしゃくしゃにして涙止まらぬ君を抱く 030:牛 初めて食べた牛丼みたい初めて女食べたとき 031:てっぺん ホトトギス てっぺんかけたと鳴くより夜は てっぺんかたいと泣かせたい 032:世界 広い世界で出会った二人狭い世間に泣く二…

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025:氷 薄い氷を踏むよな思い貴方のもとに通う道 026:コンビニ 欲しいものなどないけどいつも立ち寄るコンビニ帰宅前 027:既 既に終った仲ではあるが未練のキスでボヤ騒ぎ 028:透明 透明グラスの向こうで泣いた君に笑顔が戻る時

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021:くちばし 武器にするけどこのくちばしは餌を与えるためのもの 022:職 職を失いふけゆく暮れに不倫相手も妻も去り 023:シャツ シャツに残ったル-ジュの色で年増の主婦とすぐにばれ 024:天ぷら やっと手にした天ぷら蕎麦は衣ばかりで細い海老

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017:解 女心は解せないけれどお前のキスにとける俺 018:格差 ガキの頃から格差の娑婆よデカイ男が腰を反る 019:ノート ノ-トにびっしり交換日記今じゃ恥ずかし美辞麗句 020:貧 貧しかったわ昔のチチ(父・乳)は今じゃ子宝チチ豊か

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013:カタカナ カタカナ気分を漢字にしてもカナしい感じは変わりなし 014:煮 ヤくのはおよしもう食わぬから後は煮込んだモツがいい 015:型 血液型は相性がいいが生理の時は逃げる彼 016:Uターン 覆水盆に帰らぬことは知りつつ妻にUタ-ン

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009:ふわふわ ふわりふわふわ飛ぶ綿帽子いつかどこかで 花となれ 010:街 街を賑わすイルミネよりも赤提灯に踊る喉 011:嫉妬 嫉妬するのは惚れてる証今じゃ妬く気もしない仲 012:達 いつまでたっても友達のままその気になれぬわたし達

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005:調 お前の過去など調べはせぬが肌に隠せぬ恋の痕 006:水玉 水玉模様のネクタイ濡らし君の涙を抱いた朝 007:ランチ 今日のランチはビ-ルを少し夜まで待てぬ仲だから 008:飾 飾りじゃないがお前がそばにいれば俺でも歌になる

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001:笑 笑う門には福来たるけど服を脱がせば消える笑み 002:一日 会えぬ一日まだまだ暮れぬ会えたその日はすぐ明ける 003:助 助平亭主は内助の功で付いたスタミナ外に出す 004:ひだまり 膝に子猫をひだまりの中争う連れもいない今