2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

損した気分

076:舎 病舎には快適な風ながれても 横たう母に死の臭いして 077:等 死も風も平等なのに母の死は 自分ひとりが損した気分 078:ソース 母偲び名店のカツ買い求め ソースたっぷりかけても哀し 079:筆 達筆な母の最後のメモ帳は 風に乱れたようで読めない 080:…

こころにも

071:粉 (ーー;)シミが増えたわ気分も暗い たまにゃ白粉こころにも 072:諸 (ーー;)諸説紛々あれどもやはり わたしゃ大きいほうがいい 073:会場 (ーー;)結婚会場予約の夢が 破れ葬儀の会場へ 074:唾 (ーー;)だっていいでしょ欲しいのだから じわり溢れる唾を飲む 075:…

こがらし吹けば

071:粉 粉々に火葬の骨は崩れ散り 熱風に母は揉まれて消えた 072:諸 生前の母を騙した諸々を 詫ぶ独り言こがらし吹けば 073:会場 「ママはどこ?風が寒い!」と探す父 母の葬儀の会場なのに 074:唾 唾棄すべき男を母は息子ゆえ 風の香りで守って死んだ 075:…

ベッドでは

066:缶 (ーー;)あき缶だったら潰せるけれど 潰したくない恋のかん 067:府 (ーー;)太宰府天満学問よりも 恋の成就を願かけて 068:煌 (ーー;)年はとっても煌きたいわ せめて見る夢きらきらと 069:銅 (ーー;)昔出会った愛しい人が 銅像みたいに胸の中 070:本 (ーー;)浮気…

窓打つ風雨

066:缶 薫風を味わいながら缶ビール 母が死に行く病室なのに 067:府 冥府から母の誘いが来るを待つ 午前三時の窓打つ風雨 068:煌 棺には風は届かず煌めきを 増すは花だけ母は死顔 069:銅 母偲ぶ涙が銅を腐蝕させ あの風色が版画のように 070:本 母看取る僕の…

すぐに惚れ

061:宗 (ーー;)宗派なんかにゃ属さぬけれど わたしゃあんたの信者です 062:万年 (ーー;)口説き文句は万年筆で 書いていたのに今メール 063:丁 (ーー;)好きか嫌いか丁半みたく 答え出せずに手を振って 064:裕 (ーー;)余裕ないわよ調べるなんて 縁を信じてすぐに惚れ 0…

朝風乱れ

061:宗 葬儀社に宗派伝えて慌ただし 母臨終の朝風乱れ 062:万年 生前の母が育てた万年青らも 秋風のなか雑草となる 063:丁 母の死後知る本籍は二丁目で 僕が知らない風が吹く街 064:裕 裕然と死を待つ母を茫然と ただ眺めては風も忘れて 065:スロー 死に至る…