2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

純潔の髪

066:息 すれ違う鉄砲百合の匂いして息と去りゆく純潔の髪 067:鎖 警戒の鎖で心繋がれて自由死す野辺 秋の麒麟草 068:巨 鎮魂歌巨木となりし銀杏背にひとり一人の恋の思い出 069:カレー 失恋とカレーの時は水恋しグリーンネックレスは水いらぬけど 070:芸 高…

しぶとさ保ち

061:企 老いの恋企てごとは穏やかに弁慶草のしぶとさ保ち 062:軸 生活の軸を狂わす妖艶の匂い揺らして迫る夜顔 063:久しぶり 杜鵑草似たあの方と久しぶり秘めた想いを会う日纏いて 064:志 実葛その実程度の志あかく染まりし恋の成就を 065:酢 松茸を黒酢に漬…

夢にうなされ

056:晩 幾晩もあの日別れたあの場所のアガパンサスの夢にうなされ 057:紐 トリトマの冷めた聖火に託す恋熱き想いを紐で束ねる 058:涙 鷺草の消えゆく恋はまぼろしの儚き涙老いゆくままに 059:貝 貝づくし手酌すすみて葉錦の赤と青とに心も別れ 060:プレゼント…

熱くとけ

076:ツリー ツリー見上げて降る雪さえも 恋の涙で熱くとけ 077:狂 狂いたいのよ狂ったかしら 恋に苦しむ夜よりは 078:卵 うまくむけずに悪戦苦闘 水をかけましょ ゆで卵 079:雑 雑なその手の動きでわかる 誰かいい人できたのね 080:結婚 結婚なんかは望まぬ…

変わらぬ朝に

051:囲 囲われた高貴な恋のクレマチス覗けば蔓で首絞められて 052:世話 夜の声隠し世話するひと眩しアスパラガスは変わらぬ朝に 053:渋 揺れ惑う髭撫子に恋の雨ふられるたびに渋さを増して 054:武 傷癒えぬままに危険に誘われ月下香に酔う恋の落武者 055:き…

踏みにじられて

046:犀 歳月は暴徒と化した犀の群れ忘れな草は踏みにじられて 047:ふるさと 人類のふるさとに咲く花蘇芳裏切りユダを今も偲んで 048:謎 恋の謎夢見る時は長いのに片栗みたく姿短し 049:敷 黄菖蒲に心惑わせ躊躇いの敷居跨ぐか水際の恋 050:活 肥後系の花菖蒲…

隠す恋

071:謡 歌え童謡動揺せずに 幼心で隠す恋 072:汚 汚れちまったシーツの上で 二人座って言葉なく 073:自然 抑えきれずに自然に出ちゃう 熱い涙と声と息 074:刃 切ってみたけど刃こぼれかしら 未練ばかりが残る傷 075:朱 朱に交われば赤くもなるが 主と交わり…

思い出探し

041:喫 アザレアの喫茶にひとりまたひとり愛された日の思い出探し 042:稲 稲刈られ価値なき花かストックのまだ咲かぬまま冬日さす愛 043:輝 無為の日に輝く調和ホトケノザ人知れず座す生命の揺らぎ 044:ドライ ドライではスノーフレイクの純潔を保てぬゆえに…

小部屋の別れ

036:右 傷ついた右往左往の蹠を蚊帳吊草を踏みて労わる 037:牙 喜から怒へローストビーフかじる牙カラジウムある小部屋の別れ 038:的 落日の秋海棠にうなだれて一方的な恋の終焉 039:蹴 立ち止まりスプレーマムを蹴らぬよに愛する勇気そして忍耐 040:勉強 勉…

喜悦を捨てる

031:大人 混ぜるほど荒唐無稽に粘ついて大人の恋はオクラのように 032:詰 詰め寄ればエーデルワイスの尊さは悲惨の泥に喜悦を捨てる 033:滝 繊細な滝に打たれて鷺草の汚れを知らぬ夢に騙され 034:聞 孔雀草揺らぎ聞こえるざわめきは現状打破の渇望の声 035:…

平成25年初日の出

(ーー;)雲と心は流され変わる 初日出る屋根変わらぬに