題詠短歌 2012年

061:企
企てに翻弄されて企てる惚れた素振りの脱げない服で

062:軸
基軸さえ狂い始めて早や三年行くも帰すもままならぬまま

063:久しぶり
久しぶり見上げる月にかかる雲ながれる時にひとり佇む

064:志
何時の間に流れ流され朝靄に包まれ消えた志す道

065:酢
酢の物にまざる胡瓜の薄切りをふたり眺める風の夕暮れ