題詠短歌 2012年

071:籠
飛び出せば生きてはいけぬ狭き籠今のままでは暮らせぬ二人

072:狭
またひとつ静かに消えた選択肢狭き道行く行き止まりまで

073:庫
思い出を詰め込み過ぎた倉庫なら燃やしてしまえ回顧などせず

074:無精
指先に生きる痛みを伝えつつ無精髭がまた少し伸び

075:溶
あの夢と生命の欲が溶け出してなお別れ行く心と身体