題詠短歌 2012年

076:桃
適熟を待たずに傷む桃を食む 熟する前に傷みし君と

077:転
突然の転落速度に目を覚まし鳥は慌てて羽ばたく素振り

078:査
欲という罪人を追い捜査中ソドムのような心の奥を

079:帯
帯解けば昔懐かしい匂いして何もせぬままあの日を偲ぶ

080:たわむれ
たわむれに過去を背負いてそのあまり軽きに笑い 十歩退く