貴(あて)ぶの時は

086:貴
咲き誇る百日草を道連れに
貴(あて)ぶの時は色を失い

087:閉
恋すれど百日草は幕を閉じ
冷えゆく闇に弱き虫の音

088:湧
地獄より百日草は湧き出でて
色さまざまに怨念を描く

089:成
舞う蝶は百日草を見失い
夢成らぬまま土に横たう

090:そもそも
そもそもは百日草の時重く
命一夜の花ぞ愛しい