2016-01-16 黄昏の風 題詠短歌2015年 #短歌 031:認 認印ひとつ押すごと母の死が 戸籍の底で風化していく 032:昏 呼びかけど母は応えず微笑まず 昏睡のまま黄昏の風 033:逸 時を止め母を殺して逸脱の 風はおさまりまた熱帯夜 034:前 「もういいよ行きな母さん」のろのろと 風車が止まる死の前夜祭 035:液 手を清め消毒液を風で拭く 死にゆく母に懺悔できずに