悶えを増して

011:揃
不揃いの夜が危険な楽しみを月下香咲き悶えを増して

012:眉
野薊の棘刺す権利堪え忍ぶ眉をひそめて夜が開けるまで

013:逆
移り気な待宵草の逆悪に生の至純の快楽深めて

014:偉
偉大なる子供のように老いらくのアガパンサスよ恋は訪れ

015:図書
図書室の隅に不機嫌置き忘れ移り気に舞う紫陽花の蝶