題詠都々逸 2013年
096:季節 季節変れば忘れるかしら 忘れられないこの季節 097:証 惚れた証に裸になって 肌が合わないことを知り 098:濁 白い液体目を閉じグッと 無理に飲み込む濁り酒 099:文 破り捨てましょ恋文なんて どうせ返事を書けぬ人 100:止 逃げて行きたきゃお好きに…
091:鯨 鯨みたくは潮など吹かぬ 涙で枕は濡らすけど 092:局 嫌になるわね時間をかけて 局所ばかりを攻める囲碁 093:ドア 誰も来ないし何処にも行けぬ ドアの合鍵あげたのに 094:衆 下衆(げす)な男に舐められちゃうと 下衆な女になりそうで 095:例 浮気なん…
086:ぼんやり ひとり正月ぼんやり過ごす 恋の痛手を湯で癒し 087:餅 ついてくれたら餅肌なのに 忘れさられりゃひび割れる 088:弱 弱い男は好きではないが 弱いあなたが愛しくて 089:出口 入る時より出口を開ける 時が恥ずかし残り香が 090:唯 酒を飲みましょ…
081:自分 自分らしくはないけど今日は 甘えたくなる日向ぼこ 082:柔 年を召したか体はかたく あそこばかりは柔らかで 083:霞 どこに消えたか白無垢の夢 はるか彼方に霞草 084:左 左前でも左党の意地よ 高いお酒をグイと飲み 085:歯 歯型残して誇ってみても …
076:納 納豆みたいにべたつくよりも すっと横たう箸の仲 077:うっすら うっすら浮かんだ涙と汗で しかと感じる深い仲 078:師 漁師のあなたに釣られてしまい 教師のあなたに教えられ 079:悪 悪い人だとわかっていても 抱いて欲しいと思う人 080:修 恋をするの…
071:得意 わたしほんとはまだまだなのに いつもあいつは得意顔 072:産 産んでみたいの産ませおくれ あんたなしでも育つから 073:史 泣いてばかりの自分史だけど いつか書き足そ幸せを 074:ワルツ ダンス相手はワルツのように 飲む打つ買うの三拍子 075:良 良…
066:きれい 綺麗だなんて今さら何さ 早くきれいに切れとくれ 067:闇 闇という字は御門に音よ 声も殺せぬ闇の音 068:兄弟 ちょいとごめんね あんたとあいつ いつの間にやら兄弟に 069:視 いつの間にやら視力も落ちて 見えるものまで目をそらし 070:柿 柿が熟…
061:獣 獣みたいに乱暴だけど 子猫みたいで憎めずに 062:氏 願を懸けましょ氏神さまに 同じ氏名(うじな)になるように 063:以上 消えておくれよ惚れてるうちに 嫌いたくない これ以上 064:刑 どんな刑でも恐くはないが 体重計が恐い朝 065:投 懐かしいわね …
056:善 親が勧める善い人よりも 友に好かれるこの方と 057:衰 しかたないわよ衰えたって だけど今でも温いひと 058:秀 どこがいいのか秀でたところ なんもないけど好きなひと 059:永遠 たった一夜で終ったけれど 次の恋まで永遠のひと 060:何 何故にそんなに…
051:般 般若のように歪んだ顔が やがて菩薩にのぼりつめ 052:ダブル ダブルベッドじゃそろそろ狭い ダブっとだぶつく腹ふたつ 053:受 受けてあげてもいいけどあんた ちゃんと覚悟があるのなら 054:商 金じゃ売れない商品だけど 金をおくれよあげるから 055:…
046:間 よしておくれよ間抜けた顔で 見つめられたら間が持たぬ 047:繋 繋ぐつもりが繋がれたまま あいつばかりが浮気して 048:アルプス 白い乳房もアルプスみたく 征服するより見るがラク 049:括 一括払いで燃え尽きるより 月賦でいいから末長く 050:互 好く…
041:カステラ デコレなしでもカステラみたく しっとり甘いこの素肌 042:若 若かぁないけど心の奥で いまだ咲かずにいる蕾 043:慣 飽きちゃ嫌だよもぅ少し抱いて 慣れていくほど馴染む肌 044:日本 日本人なら大より小で 小粋な夜のささめごと 045:喋 喋りたい…
036:少 少女みたいに泣いてる私 それを抱きしめ老いてゆく 037:恨 ひどい貴方を恨んじゃいない 惚れて出てくる恨み言 038:イエス 昨日だったら今日とは違い イエスと言えたイエスタディ 039:銃 取っておくれよ兄(アニー)さん銃を あんたのタマなら当たりた…
031:はずれ ポイと捨てても舞い散りゃせぬわ はずれ馬券じゃあるまいし 032:猛 猛暑でしたね今年の夏は 猛烈でしたね燃えた夜 033:夏 好きで抱かれたわけではなくて 脱ぎたくなるよな夏だから 034:勢 老いた亭主は勢い消えて 今じゃわたしが上になる(乗る)…
026:期 これが最期と晒した素肌 今も消えないキスの跡 027:コメント いつも優しいコメントだけど 会えばやっぱりエロい人 028:幾 二人出会って幾年暮し 残り幾年暮らすやら 029:逃 逃げたあなたを追いかけながら 横のお方が気にかかる 030:財 財産どころか財…
021:仲 山もあの娘も色づきはじめ 更に深まる仲の秋 022:梨 秋の夜長に梨(無し)では寒い 栗や茸でじっくりと 023:不思議 好きになるとは不思議なものよ あんなことまでしたくなる 024:妙 妙なもんだね何度も見ても すぐに忘れて また覗く 025:滅 よしてお…
016:仕事 仕事するよに抱くのはやめて お金払ったわけじゃなし 017:彼 彼と言うより枯れ木のような 枯れたあなたに寄り添うて 018:闘 闘う相手はあなたじゃないわ 浮気相手のあの女 019:同じ 同じあやまち また繰り返す よせばいいのに また惚れて 020:嘆 嘆…
011:習 五十過ぎての手習いでした そこで覚えた恋の味 012:わずか わずかばかりの誠を信じ 捧げたいのよ何もかも 013:極 好きと嫌いの両極端を 行ったり来たりの恋心 014:更 惚れたわけではないのよたぶん ぽっとしたのは更年期 015:吐 青息吐息の毎日だけど…
006:券 風に舞い散る馬券のような わが身拾うてくれた人 007:別 別れましょうよ も一度花を 咲かせましょうよ別々に 008:瞬 待てば長夜も瞬くうちに 明けの烏か会えた夜は 009:テーブル テーブルいっぱい手料理並べ 今日も来ぬ人待ちながら 010:賞 しょうが…
001:新 あれやこれやの新手じゃ落ちぬ なのにこの手にだまされて 002:甘 甘えたいなら甘えてごらん あなたの素生がわかるから 003:各 好くも嫌うも各々だけど 惚れてくれるなこの人にゃ 004:やがて やがてくるよね今度は私 奪ったけれども去るあなた 005:叫 …