2014-09-21から1日間の記事一覧

夏の終りに

蝉落ちてもがき鳴き死ぬ風の道 牧童 秋の気配が少しずつ漂いはじめている。 酔った素肌に夜風が心地よかった。突然、光の中に蝉が落ちてきた。腹を上にし、もがき、暴れ狂い、あちこち体をぶつけながら、けたたましい鳴き声をあげ続けていた。 断末魔の叫び…

農薬に我が命を捧げる

柚の花やあの冬想い一人酔う 牧童 僕は果物が好きだ。一番よく食べるのは柑橘類。グレ-プフル-ツやカルフォルニアオレンジは一年中、よく食べる。グレ-プフル-ツが続くとオレンジが食べたくなり、オレンジが続くとグレープフルーツが恋しくなる。 先日、…

錆色の雨

011:錆 今朝もまた錆色の雨降りやまず 消した過去まで増水させて 012:延 延々と闇に絡まれ悶々と 氷雨に濡れたままの歳月 013:実 適熟の実を背景に抱く君と 時雨暮れ行くこのひと時を 014:壇 いつの間に根こそぎ変わるこの花壇 雨に濡れても不自然のまま 015…