錆色の雨

011:錆
今朝もまた錆色の雨降りやまず
消した過去まで増水させて

012:延
延々と闇に絡まれ悶々と
氷雨に濡れたままの歳月

013:実
適熟の実を背景に抱く君と
時雨暮れ行くこのひと時を

014:壇
いつの間に根こそぎ変わるこの花壇
雨に濡れても不自然のまま

015:艶
艶やかな肌も衣服も濡れたまま
涼雨の中に消えたあの人