女神の豪雨

096:翻
手のひらを翻してはほくそ笑む
自由の奪う女神の豪雨

097:陽
一粒の雨が陽気を奪い取り
言葉ひとつで笑顔が消えた

098:吉
公園の雨を逃れて吉祥寺
かわりゆく街かわらぬ自分

099:観
老いてなお諦観できぬ雨の街
濡れた衣服と汚れた髪で

100:最後
とき流れ二人の想い変わりゆく
最後の雨は霙か雪に