2013-06-13から1日間の記事一覧

枯淡の色で

096:拭 ガマの穂で心拭えば従順に 癒えて童話の恋の寝枕 097:尾 尾行して棘刺す薔薇の無邪気さの 軽き言葉に振り向く血潮 098:激 老いらくは激しからずや傷つかぬ 日陰に恋す石蕗の花 099:趣 趣味的にセントポーリアと老いの恋 育みながら小部屋に飾る 100:…

それぞれの秋

091:締 単調な日々を締めくる夕餉には バジルとパクチーたっぷり飾る 092:童 老人も童も顔を赤らめて 七竈燃ゆそれぞれの秋 093:条件 ユーカリのアロマで胸を消毒し 条件を飲む振り返らずに 094:担 食い残すパセリと恋の未練乗せ 皿の担架は搬出された 095:…

イヤの山

096:取 取るに足りない あの癖でさえ 積もり積もればイヤの山 097:毎 毎度見慣れて見飽きていても 思い出せずにまた覗く 098:味 美味かないけど寂しい夜は頬を赤らめ舐める酒 099:惑 迷う下着がはらりと落ちて惑う想いも波の中 100:完 蜜柑皮むく炬燵の中で…

愛尽くし

091:債 雪がとけても芽が出ぬままに 債権ばかりが積もる夜 092:念 念仏みたいにブツブツ小言 仏のかみさん そっぽ向く 093:迫 怖い顔して迫ってきても シュンとすぐなり去るあなた 094:裂 先に裂かれる あだ花だけど 先に咲きたや 夜ふけ(老け)前 095:遠慮…