題詠都々逸2014年

001:咲
(ーー;)咲きたかったわ貴方のために
なのに貴方は散らすだけ

002:飲
(ーー;)飲めぬお酒を飲みたくなるの
酔えぬ自分と知りながら

003:育
(ーー;)育てられたわ貴方の指で
だけど寂しさ増すばかり

004:瓶
(ーー;)ビール瓶さえ今では小瓶
遠い昔よ大瓶は

005:返事
(ーー;)手紙書いても返事は来ない
来ない返事にまた手紙

006:員
(ーー;)わたしあなたの会員かしら
ファンクラブじゃあるまいし

007:快
(ーー;)快という字に付いてた感が
はずれ不快の不が増えて

008:原
(ーー;)わからないわよ原因なんか
浮気したがるだけの人

009:いずれ
(ーー;)いずれ別れは付き物だけど
今は別れが来ない朝

010:倒
(ーー;)倒れそうだわコスモスだって
こんな冷たい風吹けば

011:錆
(ーー;)別れたいけど今さら切れぬ
錆びたナイフのような仲

012:延
(ーー;)死んで行く日に延長戦が
あればも一度口説きたい

013:実
(ーー;)秋になっても実らぬ恋は
食うに食えずに見てるだけ

014:壇
(ーー;)遠い昔ね雛壇なんて
今は仏壇だけの日々

015:艶
(ーー;)艶という字の豊かな色も
色気色あせセピア色

016:捜
(ーー;)捜すよりかは捜されたいの
待っているわよいつまでも

017:サービス
(ーー;)店じゃできないサービスだけど
あなただけにはしたくなる

018:援
(ーー;)援助なんかはいらないけれど
支えられたい この想い

019:妹
(ーー;)妹みたいに振る舞えないわ
だって心は妻だから

020:央
(ーー;)写りたいのよあなたの横で
ライト浴びたい中央で

021:折
(ーー;)あなたくる日を指折り数え
折れた心を立て直す

022:関東
(ーー;)じっと待ちましょ関東炊きよ
苦労(黒う)するほど味が染み

023:保
(ーー;)保ちたいけど保てぬ若さ
もっとお食べよ腐る前

024:維
(ーー;)維新よりかは保守派でいたい
維持をさせてよ 今の仲

025:がっかり
(ーー;)いやねこんなにがっかりさせて
涙出るより先笑い

026:応
(ーー;)応じたいけど恥ずかし過ぎて
応じられない あれやこれ

027:炎
(ーー;)すごい炎ね心の奥の
隠し部屋まで燃やしそな

028:塗
(ーー;)恥の上塗りするかもしれぬ
だけども一度抱かれたい

029:スープ
(ーー;)もっと煮込めばこの恋だって
澄んだスープになるかしら

030:噴
(ーー;)鏡見てたら噴き出しそうで
変な顔した別れ朝

031:栗
(ーー;)イガで隠した栗さえ熟しゃ
ぱっと広げて中を見せ

032:叩
(ーー;)モグラ叩きね あなたの浮気
こちら叩けば またあちら

033:連絡
(ーー;)連絡できない あなたの家の
そばの喫茶で 吸う煙草

034:由
(ーー;)理由なんかはないけどなんか
抱かれたくない時もある

035:因
(ーー;)これも因果か苦しみ増えて
だけど嬉しい夢一夜

036:ふわり
(ーー;)ふわり浮かんだ今度の恋は
すっと消えそなシャボン玉

037:宴
(ーー;)宴はなやかお花もきれい
だけどお酒は涙味

038:華
(ーー;)花は華麗に散りゆくけれど
枝は加齢で味が出る

039:鮭
(ーー;)涙いっぱい流した後は
鮭の茶漬けも塩からい

040:跡
(ーー;)人にゃわからぬ涙の跡も
鏡うつせば くっきりと

041:一生
(ーー;)一生愛すと言ってはみたが
たったひとりじゃ足らぬ恋

042:尊
(ーー;)腹に宿った尊い
父がだれでも えじゃないか

043:ヤフー
(ーー;)ヤフー検索朝からずっと
今日のデートの下調べ

044:発
(ーー;)発見したわよ あなたのホクロ
こんなところにあるなんて

045:桑
(ーー;)熟れたルージュは桑の実みたく
食べりゃ浮気がすぐにばれ

046:賛
(ーー;)誰も賛成などしてくれぬ
だけど行きましょ惚れたから

047:持
(ーー;)重た過ぎます夕暮れどきは
私ばかりが持てなくて

048:センター
(ーー;)センターばかりが主役じゃないわ
ノリがなければマケはせぬ

049:岬
(ーー;)あなた追いかけ岬の果てに
見えてきたのは海ばかり

050:頻
(ーー;)夢のさなかに頻りにベルが
きっと惚れても さめる夢

051:たいせつ
(ーー;)辛い想いを つのらせながら
だけど貴方を たいせつに

052:戒
(ーー;)朝と夕には戒めるのに
昼の誘いに身をゆだね

053:藍
(ーー;)愛に染まった 心もやがて
藍を重ねて 深き闇

054:照
(ーー;)照らす想いに照らされながら
照れてしまうわ眩しくて

055:芸術
(ーー;)晒す素肌は猥褻かしら
隠す想いは芸術に

056:余
(ーー;)余韻のこして貴方が消えりゃ
余韻すぐ消し母の顔

057:県
(ーー;)貴方住んでるお家が憎い
越すに越せない県境

058:惨
(ーー;)惨めすぎるわ貴方といても
ひとりぼっちでいるような

059:畑
(ーー;)何も育たぬ畑に愛を
注ぎ耕す憎いひと

060:懲
(ーー;)恋に破れて懲りない私
破れかぶれで恋をまた

061:倉
(ーー;)勝負下着も御倉になった
舞台初日にすてられて

062:ショー
(ーー;)ふたり演ずる裸のショーは
誰も見る人いないけど

063:院
(ーー;)貴方だけだよ拝んでおくれ
やっと開いた 奥の院

064:妖
(ーー;)色気たっぷり それとも不気味
妖艶 妖怪 紙一重

065:砲
(ーー;)目にも止まらぬ早撃ちよりも
じっくり見せてよ その鉄砲

066:浸
(ーー;)好きになったわ貴方のことが
お湯に肩まで浸るよに

067:手帳
(ーー;)手帳ながめて溜息ひとつ
今日も貴方と会えぬ日か

068:沼
(ーー;)会えば哀しや憎しみばかり
積もる心は深い沼

069:排
(ーー;)拝むふりして排泄ばかり
わたしゃ便器じゃあるまいし

070:しっとり
(ーー;)しっとりお肌が馴染んだ仲も
今じゃじっとり嫌な汗

071:側
(ーー;)側にいてよね離れずずっと
こんな願いもかなわずに

072:銘
(ーー;)銘記してよね あの日のことは
わたしゃ名器じゃないけれど

073:谷
(ーー;)胸の谷間に近づく顔を
そっと引き寄せ ぎゅっと抱く

074:焼
(ーー;)時がきたのね お肉が焼けた
そんな匂いがする貴方

075:盆
(ーー;)久しぶりよね盆暮れみたく
義理で来たよに抱いて去る

076:ほのか
(ーー;)抱いてちょうだい貴方が好きな
香りほのかに付けたから

077:聡
(ーー;)聡い女じゃないけど私
馬鹿な男にゃ惚れはせぬ

078:棚
(ーー;)お客来てよね貴方ももっと
来てと拝んだ縁起棚

079:絶対
(ーー;)絶対いやだわ貧乏暮らし
だけどいいわよ貴方とは

080:議
(ーー;)好きなタイプじゃないのになぜか
心惹かれる不可思議さ

081:網
(ーー;)網を投げれば雑魚ならとれる
網じゃすくえぬ好きな人

082:チェック
(ーー;)チェックアウトの時間が迫る
抱いておくれよもう一度

083:射
(ーー;)射程距離よね貴方とわたし
先に撃つのはどちらやら

084:皇
(ーー;)皇室みたいに手を振り別れ
そっと振り向き泣き崩れ

085:遥
(ーー;)遥か彼方に消えてく恋を
思い出させる残り香が

086:魅
(ーー;)ジャズの魅惑に心も揺れて
グラス傾け鳴る氷

087:故意
(ーー;)故意に抱かれたわけではないが
いつもよりかは酔いたくて

088:七
(ーー;)あっていいわよ七癖ぐらい
だけど許せぬ浮気癖

089:煽
(ーー;)風に煽られ寄り添う二人
いっそこのまま倒れたら

090:布
(ーー;)小銭ばかりね貴方の財布
なのに指輪をくれた人

091:覧
(ーー;)やっと上まで二人で来たが
すぐに落ちてく観覧車

092:勝手
(ーー;)自分勝手でわがままばかり
子供のようで可愛くて

093:印
(ーー;)印つけたい私のものと
どこにどうしてつけようか

094:雇
(ーー;)雇ってちょうだいお金はいらぬ
妻と言う名の仕事なら

095:運命
(ーー;)二人結ばれ運命だから
しかたないわね別れても

096:翻
(ーー;)時の流れに翻弄されて
時の男に遊ばれて

097:陽
(ーー;)ふたり陽気に騒いだ後は
陰の部分を見つめあう

098:吉
(ーー;)今日は大安吉日だから
せめて肌着は派手な色

099:観
(ーー;)いつも貴方は観光気分
ふらり訪れ去っていく

100:最後
(ーー;)これで最後といつでも思う
なのに今夜もすがりつく