首振り散歩

「首白き君の向こうにツツジ燃ゆ」牧童

ツツジがあちらこちらで咲いている。刈り揃えられたツツジは単なる色に過ぎない。ところが美しい女が加わるとツツジは燃えるように花としての輝きを増してくる。

日本の女はうなじが美しい。和服や所作などから醸し出される美しさなのだろう。
動きがなければ、うなじもつまらない存在だ。色気は体の微妙な動きから生まれる。風にうまく乗って、誰かに寄り添うように歩けたら、自然と美しい動きになっていく。

歩き方が下手な人が多い。粋な歩き方ができない。だからキスも下手だ。だからリズムにも乗れない。

よし、今日は風に上手く乗り、ゆらりゆらりと揺れながら散歩をしてみよう。一日、大地のリズムを感じながら歩いてみよう。あの女のように。あの時のキスを思い浮かべながら。