ハードからハーフへ

「去年より量少なめに柏餅」牧童

柏餅を買う量が年々減ってきた。子供が小さかった頃、家族と暮らしていた頃は柏餅が大皿に山積みされていた。

僕は酒も好きだが、甘い物も大好物で止められない。今でもかなりの量を食べてはいる。
柏餅はあまり好きではない。葉ばかりがやたら大きく、見るからに粗野な感じがするし、桜餅のように葉を食べれない。でも5月5日は別だ。やはり柏餅が食いたくなる。

みそ(桃色)、こし餡(白)、つぶ餡(緑)のどれを選ぶかなどと野暮なことを言ってはいけない。みんな食べよう。1個だと物足りないから2個食う。美味い美味いと計6個食べるのが僕の子供の日の過ごし方だった。

今年は柏餅をコンビニで買った。三個入りパックで三種類売っていた。一個ずつ三種類入っているパックがあればいいのになと思いながら、三種類買うのは躊躇し、つぶ餡だけ買って三個食べた。味噌餡、こし餡を食べなかったから物足りなさを感じたけど、量的には三個でも多すぎなのだろう。

グレープフルーツや林檎を毎朝一個ずつ食べている。食べながら、これも半分でいいのかもしれないなと思うようになった。一個まるごと食べてしまうのは単なる習慣であり、惰性であり、欲求があるわけでもないし、必要量でもないようだ。

そうだ。これからは「ハードからハーフへ」だ。

愛も憎しみもハードからハーフにしよう。それがきっと僕にとって心地よい適量の愛と憎しみになるような気がする。