また髑髏(されこうべ)

逢えぬまま凍え紡ぎし長き夢
縺れぬように待ち侘びた春

今日よりも更に明日は日脚伸ぶ
この手も少し君へと伸ばす

花冷えや人肌恋し今はただ
愛より君をまずは抱きたい

冬の間の夢はふくらみ春に咲く
心許して緩まる身体

膝に乗る猫も愛しや春の雨
病んだ心の涙が温む

太陽を求め続ける向日葵は
恋に疲れてうなだれる闇

もう一度冥土土産に恋の旅
乗れた列車は暗闇の席

飲み干した空き缶潰す孤独飯
潰せぬ時間潰れた自分

寂しさで慕う想いが見せた夢
振り向く顔はまた髑髏(されこうべ

年だから恋は無理だとつく嘘が
嘘でなくなる陽だまりの梅