2014-02-24 蕾のままで 短歌 #短歌 わざわざと冷たい家に帰るより 朝まで酔えば雪さえ温し 飲むほどに帰りたくない雪降れば 帰らない家帰れない道 改札でゆくえ決まらず凍える手 このままいっそ旅に出ようか 歴史的大雪降りし東京を 雪を求めて来た宿で知る 誰がための歌声なるか知らねども 愛しき想い聴くたびに増し ローレライ幾千の舟沈むとも この歌声は我を呼ぶもの 棲む鳥が戻らぬままの鳥籠に 歌声偲ぶ春の曙 愛ゆえに失うよりはオンディーヌ 肉欲の火で水蒸気になれ ふくれたり縮んだりしてトラウマは 咲かず枯れずに蕾のままで 砂浜に温もり見つけ恋と書く 春は逃げずに波のまにまに