たまにゃ素面で

酒にまつわる箴言アフォリズム)は古今東西いろいろ残されているように、酒は人間に多大な影響を与えてきた。

354年に生まれた古代キリスト教神学者であるアウグスティヌスは酒について「酒は人を魅する悪魔である。うまい毒薬である。心地良い罪悪である」と述べている。
「私は肉欲に支配され荒れ狂い、まったくその欲望のままになっていた」と『告白』で述べているように、アウグスティヌスはその性的な罪についてもひどく悲しんでみせ、性的な道徳の重要さを強調している。生まれた時からのモラリストではなかったからこそ、酒についての結論もこのようになったのだろう。

「酒は悪魔である。毒薬である。罪悪である」としながらも「酒は人を魅する。うまい。心地良い」と大昔の神学者も酒の魅力を認めているのだ。

僕の父は酒が飲めない。人付き合いには酒が必要だと考えていた父は僕が子供の頃から酒を飲ませ続けていた。中学生の頃には自分の部屋に僕専用のダルマ(サントリーオールド)が置かれていて、勉強しながら飲んでいた。
結果的に酒飲みになったのだが、今、人生を振り返ってみると、酒で数多くの失敗や怪我や喧嘩を繰り返してきて、結果的には僕にとっての酒は悪魔であったようだ。

還暦を過ぎて酒量は激減してきたが、これからは心地よい罪悪の酒を少しずつ味わっていきたいものだ。

(ーー;)酔ったあなたは嫌いじゃないが
たまにゃ素面で抱かれたい