一夜の風に

落葉とて重ね眠れば温温と
わが身枯れても夢はさめまじ

逢いたさの想い積もりて窓を開け
凍てつく闇に君の名を呼ぶ

熱燗で冷えた心は癒されず
微笑む君の温もり恋し

同床の望みかなわぬ歳月に
二人幾度も見た同じ夢

昨日まで気づかぬ恋を今朝に知り
今年こそは仕事より恋

温もりに引き寄せられて手をかざし
恋の熾火に顔を赤らめ

頬染めた君の指先あたたかく
僕のマフラー静かに奪う

冬も好き鍋も焼き芋みんな好き
いちばん好きな貴女といれば

来世より現世で全て燃えつくせ
前世の契り一夜の風に

燃え尽きてなおも残りし温もりに
包まれ歩く冬から春へ