溜息の朝

086:ぼんやり
ぼんやりと日向ぼっこをするように
暮らせる伴侶いまだ出会えず

087:餅
青黴の餅懐かしや黴生えぬ
時代の日々は変化なきまま

088:弱
還暦の齢重ねて弱々し
朝な夕なに冷えゆく机

089:出口
目の前に楽に通じる出口あり
なおも争い留まる二人

090:唯
唯一の己の命あずかりて
まだまだ続く溜息の朝