言うか黙るか

011:習
観月の習わし消えた窓辺立つ
すすきの風を想い浮かべて

012:わずか
風わずか吹けば尾花は揺れ止まず
行くか戻るか言うか黙るか

013:極
極端な静けさを増し夕陽さす
プールにすすき子等に変わりて

014:更
またひとつ色を失い更ける夜に
芒ばかりが揺れてきらめく

015:吐
闇に吐く罵詈雑言を薄らは
軽くいなして閑寂のまま