題詠都々逸 深い味

091:勘
(ーー;)勘はいいけど惚れたらだめね
いつも男に騙される

092:醤
(ーー;)醤油いっぱい小皿についで
わさび効かせて彼の口

093:健
(ーー;)多少馬鹿でも健やかならば
ちょいと味見がしたくなる

094:報告
(ーー;)別れましたと報告したい
元の旦那にまた未練

095:廃
(ーー;)今日のお酒は山廃仕込み
熟女肴に深い味

題詠短歌 物憂い姿

091:勘
明日は雨いつもの橋で冴える勘
天気予報は自分信じて

092:醤
御用蔵朱塗りの橋の雨音に
野田の醤油の豪商偲ぶ

093:健
橋でさえ老いれば健診するという
だが今日は雨医者より酒だ

094:報告
亡き母に離婚報告した帰路の
橋の時雨は誰の涙か

095:廃
廃橋は役目奪われ見捨てられ
日暮れの雨に物憂い姿

題詠都々逸 したいくせ

086:穀
(ーー;)脱いで脱がして穀物だって
殻を取らなきゃ食えはせぬ

087:湾
(ーー;)寂し過ぎるわ女の湾も
入れて出さなきゃ澱むだけ

088:省
(ーー;)前も途中も省略ばかり
長い夜でもすぐ鼾

089:巌
(ーー;)厳し過ぎるわ不倫をせめる
人もほんとはしたいくせ

090:トップ
(ーー;)トップバストもうつむくばかり
空を見ましょか背伸びせず

題詠短歌 雨もやむはず

086:穀
橋を過ぎローカル線の車窓には
脱穀終えた地に初雪が

087:湾
湾岸の橋の夜景に氷雨来て
帰したくない君を見送る

088:省
時が過ぎ省略された思い出は
雨・橋・闇と震えた二人

089:巌
もし橋が巌流島にあったなら
暇な雨の日「もし」をあれこれ

090:トップ
さようなら気分はすでにトップギア
橋を越えれば雨もやむはず

題詠都々逸 深い欲

081:潰
(ーー;)そっと握れば硬さを増して
握り潰せぬ深い欲

082:にわか
(ーー;)やはりムリよね朝まで我慢
にわかづくりの恋は消え

083:課
(ーー;)すぐにやります出すのも早い
すぐにやる課じゃあるまいし

084:郡
(ーー;)都心ばかりに集中せずに
たまにゃ郡部や臀部にも

085:名詞
(ーー;)名詞動詞の会話はあきた
飾る言葉で酔わしてよ

題詠短歌 また思い出す

081:潰
潰すには硬すぎる暇持て余し
昼酒徘徊霙降る橋

082:にわか
にわか雪言問橋を包み込み
あの日の恋をまた思い出す

083:課
欄干の擬宝珠撫でて川を見る
これを日課に冬告げる雨

084:郡
この雨も死者の涙か霊の旅
西白河郡雪割橋で

085:名詞
雨の日は趣を増す君と橋
固有名詞は知らないけれど

題詠都々逸 腐らせず

076:犯
(ーー;)浮気したふり確信犯ね
妬いて泣く顔見たいのね

077:忠
(ーー;)よしておくれよ忠告なんて
しかたないでしょ好きだから

078:多少
(ーー;)惚れているときゃ多少のキズも
見えてますます好きになる

079:悦
(ーー;)酔うた二人を映した鏡
歳を忘れて悦に入る

080:漁
(ーー;)漁師だったら捌いておくれ
釣った魚を腐らせず