題詠短歌 また君がいる

066:郷
旅ふたり萩の上風吹く郷の
石段登り神への祈り

067:きわめて
旅一夜風の流れをみきわめて
歩めばそこにまた君がいる

068:索
暗索のビール飲みほし空き缶を
手に持ったまま風と虫の音

069:倫
人妻のためらい歩く裾風に
倫理の壁は脆く崩れて

070:徹
窓辺立つ君は徹夜か酔うて寝て
目覚めた僕に微笑みかける