題詠短歌 心も素肌

031:知
家風(いえかぜ)という言葉知り振り向けば
帰ってくるなと風力を増す

032:遮
辰巳風この先行きも遮断され
ふたりの闇で荒れては涙

033:柱
風死して焼けど開かぬ貝柱
別れ話を切り出せぬまま

034:姑
姑息さをまた身につけて海風の
不倫の旅は夫婦のように

035:厚
雨風(あまかぜ)よ洗い落とせよ厚化粧
今夜はふたり心も素肌