題詠短歌 風と生きたい

011:億
億万の富より君と密やかに
梅の香りの風と生きたい

012:デマ
薫風に立つ君に告げ目をそらす
家族の愚痴は哀しみのデマ

013:創
君の名をこの光風につけて呼ぶ
詩人みたいに恋の創作

014:膝
花吹雪ひとひら膝に留まりて
微笑む酌に老いらくの恋

015:挨拶
挨拶も失せた妻ゆえあの人へ
春立つ風に託すおはよう