母に寄り添う

086:珠
風誘う珠数玉ひろい手づくりの
母の思い出今日は葬式

087:当
訳もなく当たり散らした反抗期
風にも涙母なき今は

088:炭
樫焼けば備長炭に母焼けば
風に舞う骨もろく崩れて

089:マーク
病床の風が付けたかデスマーク
窶れた母の腕にポツリと

090:山
山場越え嵐いままた静まりて
まだ生きている母に寄り添う