見つめあうまま

081:網
雨上がり網戸に残る水滴の
ように貴女にしがみつきたい

082:チェック
突然の豪雨に濡れてチェックイン
服を脱げずに見つめあうまま

083:射
射る雨に刻々と増す歯の痛み
君といるのにキスもできずに

084:皇
傘ひとつ二人の肩は雨に濡れ
無言のままに皇居の秋を

085:遥
溢れ出る涙がぽつり呟いた
遥かなむかし僕は雨だった