鬱的な日々

「あれやこれなおせぬままに初夏の風」牧童

実は今の僕は鬱期にいる。特に外因があるわけではなく、周期的な鬱だ。この期間は書く意欲、書く喜びが激減してしまう。言葉が浮かんでこない。浮かんでも陰気な言葉が先に多く出てくる。例えば「あ」で思い付く言葉、いつもは明るい、暖かい、愛する貴女とあの日あの時なのだが、鬱期になると、あきらめ、哀愁、愛憎、浅はか、あほ、悪魔などしか思い浮かばなくなってしまう。

もうすぐ夏だというのに、部屋の片隅に薄汚れたコートがまだかけられたままになっている。寒かった季節にずっと着続けたコートだ。見るからに薄汚れている。部屋に戻るたびに気になる。気にしながら、ながめるだけで日が過ぎていく。

冬になればまた着るのだろうか?
そろそろ新しいコートを買おうか。
それまで僕は生きているのかな。

今度の日曜にはやはりクリーニングに出そう。