静かに散って

076:納
納骨はわずかな骨と思い出と
散るひとひら山茶花と雨

077:うっすら
山茶花が冷えた二人にうっすらと
赤を与えて隙間を埋めて

078:師
はや師走けばけばしさに背を向けて
山茶花のもと溜息ひとつ

079:悪
椿ほど悪と似合わぬ山茶花
ほどほどに生き静かに散って

080:修
老いてなお修養を積み山茶花
ように咲きたい寒気の中で