見捨てた僕に

066:きれい
いつまでも二言だけで暮らせたら
憎みはしまい「おいしい・きれ
い」

067:闇
静寂に耳傾けて闇の音
まだ生きている自分を殺し

068:兄弟
ぶたれても兄にすがるか幼子よ
兄弟喧嘩にイジメの縮図

069:視
視線など逸らしてしまえ逸らしても
僕には見える恋物語

070:柿
見上げれば木守り柿がつぶやいた
熟して家を見捨てた僕に