風ににぎわう

031:はずれ
またひとり人影消えた町はずれ
シシウドだけが風ににぎわう

032:猛
黒々と猛暑を印す肌褪せて
シシウド揺れる白の秋風

033:夏
里よりもひと足早く山の辺の
夏を終らす猪独活の群

034:勢
天使らが勢い集うシシウドは
汚れを知らぬ白色に舞う

035:後悔
後悔をふと忘れてはシシウドの
空に包まれ振り返らずに