消えた恋唄

071:籠
恋すれど実らぬままに空籠を背負い彼方を眺め山茶花

072:狭
優しさの思い出残し藤袴狭き川辺に消えた恋唄

073:庫
枳殻の棘に隠した日記帳文庫サイズに恋唄綴り

074:無精
口説くより酒が功徳と恋無精花梨の喉も今は嗄れ

075:溶
恋すれど踏みにじられて溶け出したアロエ果肉の未練で汚す