折込都々逸が好きだから

折込とは、雑俳で、課題の漢字の2文字を1句の中に詠み込むもの。「振向」を詠み入れた「松の振見て向け直す春日形(かすががた)」の類。
と辞書にある。

織込としている方もいるし、織込のほうが美しい感じがするが、織込は辞書に記載されておらず、もともとは折込だったのだろう。
私はまだまだ織るようには言葉を扱えず、無理矢理に折込んでいるので折込としている。

折込都々逸は慣れてくるまでは大変なのだが、慣れてくると楽しくなってくる。いろいろ折込都々逸をつくっているうちにコツがわかってくる。
最初の頃は折込都々逸は難しく、なかなかできないし、出来ても文字をただ並べただけのものということが多いのだが、折込を続けていくうちに、あれやこれやと自然に都々逸が浮かんでくるようになってくる。

都々逸好きの方の中には、折込都々逸を邪道だとして毛嫌いしている方もいらっしゃるようだ。確かに折込都々逸は言葉遊びの感が強く、純粋な創作都々逸とは言えないだろう。
でも僕は折込都々逸が好きだし、よくつくっている。折込都々逸をつくっていると、自分が普段使っている語彙や今までの自分の世界だけでは上手くまとまらないことが多い。そこでいろいろと悩み、辞書なども眺めながら考えていると新しい言葉たちと出会え、今までにない都々逸の世界が広がっていく。

折込都々逸は何人かでつくりあうほうが楽しめる。他の方がつくった折込には自分ひとりだけでは気づかなかった言葉や世界があり、楽しいし、参考になる。