主役の座を譲る才女たち

    座が乱れた時、粋な都々逸によって男たちのはやる心を沈めた。この手の都々逸はプロの女たちしか作れない。 

    都々逸の作者が見えてこないのは、芸者が主役になることはお座敷ではあり得ないことであり、才女であることを隠し、自分で作った都々逸でも自分が作ったとは言わず、私が好きなとか、姐さんから教えてもらったとか言ったため、詠み人知らずが多くなった。
    また都々逸の秀作は何人もの手を経ながら磨き込まれてきたものとも言える。