題詠短歌 酔うて候う

076:犯
違犯だと知りつつ投棄したくなる
凍雨の橋から粗大な孤独

077:忠
雪になり両国橋でふと思う
忠臣蔵を美談にするなと

078:多少
この橋で多少泣いても冬の雨
通行人は皆うつむいて

079:悦
横時雨ぬれる寒さも悦楽に
中央大橋酔うて候う

080:漁
漁り火に誘われ橋に身を寄せる
ぽつりの雨に罠から逃れ